LIFE

ゲイやレズビアンだけではなく、トランスジェンダーのFtMやMtFも含め、法律上の性別が同じ2人は、日本では結婚ができない。
日本は同性どうしで愛しあうことは自由で、犯罪にはならない。

「愛しあうことが自由なら、別に結婚できなくてもいいじゃない」と思われるかもしれない。
しかし、結婚できないと困ることが、実は多くある。

結婚していないと認められないこと

【相続できず、家を追いだされる可能性が…】

パートナーが亡くなったとき、結婚していれば、遺言がなくても、パートナーの財産を全く相続できないということはない。
だが、結婚していなければ、遺言を残しておかないと、どんなに長く一緒に生活していたとしても、まったく相続ができない。
パートナーが所有している家に住んでいたときには、家から出ていかないといけなくなる可能性がある。

家

【同じ国で暮らす資格をもらえない】

外国人のパートナーは、男女なら結婚していれば、日本人の結婚相手として日本にいる資格をもらえる。
しかし、同性同士の場合、結婚ができないので日本人の結婚相手として日本にいる資格をもらえない。
日本で仕事などをしていれば、それを理由に日本にいる資格をもらえることもあるが、失業してしまうと資格がなくなるため、全く安心ができない。
同性同士の場合、一緒の国で暮らす資格をもらえず、愛し合っているのに一緒にいられないことがある。

地図

【命にかかわる重大な時そばにいられない】

パートナーが病気や怪我で意識不明になったとき、結婚していれば家族としてパートナーの様子を見守ったり、お医者さんから話を聞いたりできる。
しかし、同性同士だと家族扱いしてもらえず、一番大切な人の容態や状況を見守れなかったり、医者から話を聞けなかったりすることがある。

同性のパートナーだとダメという法律はないため、病院が許可さえしてくれれば良いのだが、「法律上の家族ではないから」との理由で許されないことがあるのだ。
結婚して法律上家族になっていればすんなり認められることが、同性カップルの場合は結婚することができないため、認められないかもしれないという不安がつきまとう。

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【子どもを育てていても法の上では赤の他人になる】

パートナーが産んだ子どもを親として一緒に育てていても、自らは「親権者」にはなれない。
そのため、病院で「法律上の親を連れてくるように」と言われてしまうことがある。
法律上の親が、遺言で未成年後見人を指定せずに亡くなってしまった場合、遺された法律上の親ではないパートナーは、子どもとの法的な関わりがないため、ずっと育ててきた子どもと関われなくなってしまう可能性がある。

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「パートナーシップ宣言をすれば良いんじゃない?」
そう思う人もいるかもしれないが、現時点でのパートナーシップは自治体によって全く異なり、法的な効力はほとんどない。

同性カップルは、様々な状況で不利になることが多くあるのだ。

法律婚・事実婚(異性間)・同性カップルの比較

素材 (13)
このような状況で、「愛しあっていれば、それでいい」と言えるのだろうか?
同じように愛しあっているのに、男と女なら結婚できて、結婚していなくとも結婚同様の待遇をされ、同性どうしだと結婚ができないのは、不平等ではないだろうか。

また、性別だけを理由に結婚ができないのは、個人の尊厳を損なうのではないだろうか。
「結婚する」と「結婚しない」の2つの選択肢が異性カップルにあることに反して、「結婚できない」の選択肢しかないのは平等とは言えない。

日本でも、不平等を解消し、性別にかかわらず、誰もが結婚するかしないかを自由に選択できる社会を求めている。

世界の同性婚

1989年にデンマークで世界で初めて、同性カップルに異性カップルが結婚している場合に認められるものとほとんど同じ権利が認められる「登録パートナーシップ法」が作られた。結婚はできないものの、同性どうしの関係が法的に保障されるようになったのだ。

それから約10年後の2001年、ついにオランダで同性同士の結婚が実現した。

現在では、ヨーロッパ、南北アメリカ、オセアニアなど、2021年12月現在、31の国・地域で同性婚が可能になっている。
最近ではチリの議会が承認したことが記憶に新しい。

チリ議会、同性婚を認める法案を可決
2021年12月8日

アジアでは、2019年5月から台湾は同性婚ができるようなった。
台湾では、2017年5月、憲法裁判所のような場所で、同性カップルも結婚できるように2年以内に法律を改正するか、新しい法律をつくらなければならないという判断がされた。
これを受けて、2019年5月、ついにアジアで初めて同性婚ができるようになったのだ。



【世界の同性婚年表】
(出典:NPO法人 EMA日本)
現在、同性婚および登録パートナーシップなど同性カップルの権利を保障する制度を持つ国・地域は世界中の約20%の国・地域に及んでいる。

法律施行月
2001年4月 オランダ
2003年6月 ベルギー
2005年7月 スペイン
2005年7月 カナダ
2006年11月   南アフリカ
2009年1月 ノルウェー
2009年5月 スウェーデン
2010年6月 ポルトガル
2010年6月 アイスランド
2010年7月 アルゼンチン
2012年6月 デンマーク
2013年5月 ブラジル
2013年5月 フランス
2013年8月 ウルグアイ
2013年8月 ニュージーランド
2014年3月 イギリス
→2014年3月にイングランドとウェールズにおいて、2014年12月にスコットランドにおいて、2020年1月に北アイルランドにおいてそれぞれ同性婚が認められた。
2015年1月 ルクセンブルク
2015年6月 メキシコ
2015年6月 アメリカ
2015年11月   アイルランド
2016年4月 コロンビア
2017年3月 フィンランド
2017年9月 マルタ
2017年10月  ドイツ
2017年12月  オーストラリア
2019年1月 オーストリア
2019年5月 台湾
2019年6月 エクアドル
2020年5月   コスタリカ
2022年3月   チリ
2022年7月   スイス



地球儀

【登録パートナーシップなどを持つ国】

アンドラ
イスラエル
イタリア
エクアドル
オーストリア
キプロス
ギリシャ
英国
クロアチア
コロンビア
スイス
スロベニア
チェコ
チリ
ハンガリー
フランス
ベネズエラ
メキシコ(一部の州)
リヒテンシュタイン
ルクセンブルク
ニュージーランド
オランダ
ベルギー

※同性婚を実現するまでの期間に登録パートナシップ制度等を設けていた国々においては、同性婚実現後、新規にパートナーシップとなることを認めていないものの、既にパートナーシップ関係にあるカップルが同制度にとどまることを認めている例がある(デンマーク、スウェーデン、ノルウェー、ドイツ等)。

※登録パートナーシップなどを持つ上記の国・地域の中には、同性婚を認めている国もある。この場合、同性婚と登録パートナーシップなどの制度がいずれも認められていることになる。



東京都でのパートナーシップが検討され始めている今、同性婚の可決も遠い未来ではなくなってきた。

結婚する・しないを選ぶ権利は誰にでもあるのに、選べもしない日本は肩身が狭い。
同性婚は何も特別なことではなく、戸籍上同性のカップルが希望した場合に結婚ができるだけである。

一刻も早く、同性婚が可決し、望むカップルが結婚できますように。


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