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成立から1年とすこし

宝塚市のパートナーシップ制度が成立して、一年とすこしになります。

条例ではなく、あくまで要綱ですので、法的な効力はありません。

とはいえ、市全体がLGBTカップルに協力的であり、受け入れること、体制を整えていくこと、なにより関西を代表する三つの府県=京都大阪兵庫ではじめての制定であること、これらを踏まえると重要な一歩であることには違いありません。

現状を宝塚市男女共同参画課に問い合わせてみたところ、現状として、成立カップルは依然ゼロのままです。(2017.09.13現在)。

宝塚市がなぜこの制度をとりいれたのかというと、「宝塚をより住みやすい町にしよう」と掲げたときに、その一環として挙がったそうです。人権問題のひとつとして、取り組もうと。

市民から要望があった、というわけではなく、あくまで自主的に取り組んだそうですから、この「ゼロ」は仕方のないことではあるかもしれません。1年とすこし、認識の広がりには当然のように時間が必要でしょう。

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Photo by Alvin Mahmudov on Unsplash

「認識」の広がり

さきほど認識の広がりといいました。認識、というのは「いままでとは違う婚姻関係」への社会全体の理解の広がりも、もちろん意味しますが、すこし角度をかえてみるのはどうでしょうか。

地方に住むLGBT当事者たちこそが、制度を「認識し辛い」現状があるのではないでしょうか。というよりも、自身のセクシャリティを「認識し辛い」という現実があるのではないか。出会いの数もすくなく、制度以前の問題では。そう考えるようになりました。

あくまで「兵庫県に住む1人のゲイの、1つの観点」として、読んでくださると嬉しいです。

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Photo by Katy Belcher on Unsplash

 

兵庫県に住むゲイの「認識」

兵庫県で生きていると、じぶんはゲイであるということを認識する機会が少ないです。

ゲイであるということを意識する機会というのは、たとえば、ゲイのひとと遊んだり、恋愛をしたり、ということです。

兵庫県はゲイバーの数も少なく、ゲイナイトを楽しむには、大阪に出向く必要があります。

京都も同じようなものだと聞きましたが、たとえば学術やアートの分野でセクシャリティを題材にした「場」があります。神戸にはそういった「場」はありません。神戸に住んで、神戸で働いているので、町の暮らしのなかでセクシャリティを意識する、というようなことは、ほとんどありません。

主要なアプリを利用しても、登録数がすくなかったり、そもそも「タダで出会えればラッキー」くらいなのか、あまりコミュニケーションもうまくとれません(これは私自身の問題も、多分にあるでしょうけれど)。

それでも、当然ですが、生きていけるわけです。地元の友だちや仕事関係のひとと遊ぶのは楽しいですし、そうなると「じぶんはゲイである」という認識をどんどんしなくなります。好きな女性のタイプを問われたときの対処法も、年齢とともに学んでいきました。

都心よりも地方のほうが、カミングアウトしている割合がすくない、という調査結果があります(①)。

カミングアウトしていない、というよりも、する必要がないと考えているひともいるのではないでしょうか。

ヘンな言い方かもしれませんが、他のゲイの存在を実感することが捗らず、じぶんがゲイであるのかどうか、よくわからなくなってしまう、という具合です。こうなると制度を「利用する/しない」というはなしではないように思ってしまいます。

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制度とその周辺

 

しかしこうした「認識」も、社会から存在を受け入れてもらえると、状況が変わるかもしれません。今制度は、その一歩であるには違いありませんし、この一歩が、二歩三歩と続いていけばいいなと思います。

ただ一歩一歩の小ささに、焦りを感じてしまうのも事実です。現在日本では5つの地方自治体がパートナーシップ制度をとりいれていますが、ひとつの市がどう、ではなく、やはりもうすこしおおきな単位で何かおこればな、とも思います。

台湾は人口の8割がパートナーシップ制度の対象です(②)。こうなると、より行動に結び付きやすい、というのは自然なことです。もちろん、やたらめったら認めればいい、というほど簡単なことではありません。ですが、日本の現状に「まどろっこしいな」と思うのも、事実です。

宝塚市の方にほかの地域との連携について伺ったところ、伊丹市では電話相談、三田市では検討会をひらいたりと、連携とまではいかなくとも、近辺でも動きが生まれているそうです。自治体が意識してくれる、ということは、ささいなこととはいえ、やはり安らぐものはあります。

 

① :「NHK LGBT当事者アンケート調査(http://www.nhk.or.jp/d-navi/link/lgbt/) 」

② :「【台湾:婚姻平権を追う】台湾と日本の同性パートナーシップ条例の現状はどう違う?(http://life.letibee.com/taiwan-samesex-relationship/)」

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Photo by Nick Karvounis on Unsplash

おわりに

 

宝塚は三宮からだと40分、梅田だと30分ほどです。やや離れていますが、とても落ち着いた町で、わたしの印象ですが、大らかなひとが多いです。

住むには心地のいい場所でしょう。市の方も、「ひとが増えると、町がより華やかになるからうれしい」とおっしゃってました。

いますぐでなくとも、いつかは誰かと暮らしたい。そう思う気持ちを持つことが、なにかのキッカケとなったり、だれかに繋がっていくかもしれない。

せっかく手をひろげてくれていることですし、認識という「体制」を整えることから、はじめてみようと思います。

宝塚市 ブランdの

写真は宝塚市ホームページより(http://www.city.takarazuka.hyogo.jp/shisei/1019807/1017776.html)

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