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朗報です!8月31日厚生労働省から性同一性障害の人の健康保険証で、「通称名」を使うことが認められるようになりました。

通称名って?

通称名とは、非常に簡単に言えば「あだ名」のようなものです。

戸籍に登録された本名とは違う名前となりますが、これまで特に外国籍の方々が日本風の名前を名乗ったりする際に使われていたことが多いです。

それだけでなく、トランスジェンダーの人が生まれた時につけられた名前に違和感を感じたために、本名とは違う通称名を名乗ることもあります。

今回の厚労省のお達しは、特にトランスジェンダーの人向け

「あだ名」のようなものとは言え、公的な書類も、種類によっては通称名を併記することができます。このあたりはまだ制度が新しいので、公的な書類の種類、公的機関の審査などによって、できる場合とできない場合があるようです。

今回はトランスジェンダーの人々が公的な身分証明にもなる保険証に堂々と通称名を入れることが可能になったということで、とても嬉しいことですね。

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保険証に通称名を記載できなかったこれまで

トランスジェンダーの人の中には、病院で本名で呼ばれることで精神的苦痛を受けていた人々もいます。取材に協力してくださったトランスジェンダー(FtM)の方のお話ですが、以下のようなご意見をいただきました。

「自分の場合は名前が中性的じゃなく、女の子の名前だから注射を打って声変わりしてから本名で呼ばれるたびに、みんなに「????」みたいな反応されて嫌になる。」

「病院で診察室に呼ばれる時と会計呼ばれるときも中々嫌な気持ちになる。」

また、性別適合手術は受けたものの、公的機関の手続きにおいて(未成年の子供がいる、などの理由で)戸籍変更が認められず、やむなく通称を利用しなければならなかったという人もいるかと思います。

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実際に聞いてみました!手続きはどうすればいいの?

さて、ここまでくると気になってくるのが、「実際にどうしたら手続きができるのか?」という点ですね。

今回はある自治体に実際にうかがった「保険証への通称名記載手続き」の流れをまとめてみました!

持ち物は?

今回うかがった自治体では、以下のものを持ってきてほしいと言われました。

①保険証

②性同一性障害の診断書など

厚生労働省の通達で、今回の通称名の記載については、「性同一性障害と診断が下されていた人に限る」ようです。そのため、上記のような書類が必要になります。

③通称名が周囲に認知されている事がわかる文書など

上記と同様に、「通称名が周囲に認知されている必要がある」ため上記の書類が必要だとのことです。

少しわかりづらいかもしれませんが、「通称名が記載されている友人からの手紙」等でもよいそうです。

必要なものを持って自治体の担当課に行こう

準備が整ったら、自治体の担当課に行きましょう。

「国民保険資格係」などの名前がついていることが多いようです。

担当窓口まで行くと、必要な申込書を記載するよう指示があるので、名前や住所、記載したい通称などの情報を書いてから前出の必要書類とともに提出します。

現状はあまり前例がないため、手続きに問題がなければ、課の中で決裁をとってから簡易書留などで郵送する予定だとのことでした。(予定では1週間ほどで郵送してくれるようです。)

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どんなふうに記載されるの?

イメージでは保険証おもて面の通常名前が記載されているところに通称名が記載され、うら面に本名が記載されるとのことです。

(新しい制度だということもあって、私がうかがった自治体でも、まだ実際に手続きをされた方はいないとのことでした。)

懸念点。両親には伝えたくないけど・・・

さて、ここまでで制度の内容、手続きの流れについて書いてきましたが、ちょっと気になるのが、例えば家族に知られたくないような場合にバレずに手続きできるものでしょうか?

ここは微妙なところではありますが、家族と一緒に住んでいても(例えば世帯主が父親などの場合でも)通称名の記載手続きそのものは本人1人で手続きに行ってできるようです。

しかしその後世帯主に健康保険料の支払い依頼書の送付や健康保険の更新のお知らせが来ることがあります。記載されている名前を両親が見て「登録されている名前が違う・・・?」とバレてしまう可能性が高いと言えるでしょう。

完全に一人暮らしをしているような場合では、健康保険証に通称を記載していても両親に知られてしまう恐れはすくないです。

自治体・保険の種類によって手続きが違うので注意!

上記の流れ、持ち物についてはある自治体の例ですので、

実際の運用については、各自治体や保険の種類によっても違いますので、ご自分のお住いの区役所などに電話してみる必要があります。

また、8月31日に公になったばかりの制度なので、前例も少なく、現時点では対応は検討中という自治体もありました。

自分の住んでいる自治体でどこまで対応してくれるかは、その自治体次第なので、とりあえず電話して聞いてみましょう。私の場合は、担当の人が優しく丁寧に教えてくれました。

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まとめ

いかがでしたでしょうか。今回の厚労省の発表により信用力の高い公的な書類で性同一性障がい者の通名利用が認められるということが言えると思います。LGBTへの理解が広まるという意味でも喜ばしいことですね。

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