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2017年9月初旬の時点で「ゲイ カミングアウト」で検索した結果、ヒット数は約466,000件(Google)。ネットの世界には賛否両論、体験談も踏まえて膨大な情報がありますね。

LGBT当事者の方は程度の差こそあれカミングアウトに関して考えた経験があるのではないでしょうか?今回はそんなカミングアウトについて34歳、比較的オープンリーなゲイの僕も改めて考えてみました。

※今回はゲイのカミングアウトにフォーカスして書きます。

 

カミングアウトは突然に

僕の場合、初めてのカミングアウトは意図しない事故のような形で起こりました。

22歳の誕生日の日、サークル仲間が誕生会として集まってくれたお酒の席で僕は後輩の女の子と良い気分で恋愛談議に盛り上がっていました。

恋愛談義は朝4時まで続き、酔いもかなり回った頃、ふと気が緩み「彼氏がすごく優しくて云々…」と口走ってしまったのです。言った瞬間に酔いが醒めるほど焦りましたが僕の目の前の女の子は「めっちゃいいじゃないですかぁ!!」とキラキラした笑顔で話し続けてくれていました。

素直で柔軟、お喋り好きなその子との会話はそのまま自然と流れていく中で、すぅーっと肩の力が抜けていく感覚を今でも覚えています。その後、会話が「コンビニの新人バイト君がイケメンで」とか。お互いの好みの男性の話で盛り上がり、僕の最初のカミングアウトは良い思い出になっています。

 

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相手を選んでカミングアウトを進めてみた

もともと嘘をつくのが苦手な性格の僕にとって、彼氏がいることを隠しながら生活することはかなり負担になっていました。

同じ大学の2つ年上の彼とのデートや買い物は、知り合いに会う可能性が低いところを選んでいかないといけないし、「彼女できたの?」って質問にもはぐらかすしかできません。悩んでふさぎ込んではいませんでしたが、小さなストレスの連続は窮屈でした。

そこで偶然のカミングアウトをきっかけに、大切な友達、一緒にいる時間の長い友達には正直に話してみようと思い、少しずつ、一人ずつ、信頼できる友達にカミングアウトしていきました。

もちろんカミングアウトを受け入れてもらえないこともありましたが、受け入れた上で海や温泉旅行に誘ってくれる友人もおり、今ではノンケの友人に彼氏の話をしたり、お互いの嫁さん・彼氏のグチ会を開いたり(笑)、ストレスを感じることなく会話を楽しめてい
ます。対女性・対男性の恋愛観や結婚観の対比をしながら語ることができるので、ゲイもノンケも双方に気づきがあって有益です。

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カミングアウトのメリット・デメリット

ゲイであることをカミングアウトすることで、肩の力が抜けて素直に人と接することができるようになったということが僕にとっては大きいです。

カミングアウトする以前は、「ノンケの男らしく振舞う」ために会話の中であらゆることに気を使っていた気がします。あらゆるものを「かわいい」と表現してしまうオトメ(笑)が出てくることを抑えたり、女性の前では男らしさを強調するためにぶっきらぼうを装ったりしていました。一人称ですら、本当は「僕」が好きなのですが、無理に「俺」を使っていましたね。

今となってそんな過去を振り返ると、ただ過剰に気にしていただけだったように感じます。ノンケ友達のTシャツや笑顔を見て「かわいい」って伝えること、女性の髪形の変化に気づき「素敵だね」って伝えること、簡単なことかもしれないですが、ノンケの振りをしていた僕には難しいことでした。

デメリットはゲイを生理的に受け付けない人は離れていくことでしょうか。僕の場合、直接的に罵倒されたり、被害が及ぶようなことはありませんでしたし、自分を
好いてくれる人を大切にしようと考えていたため気になりませんでしたが、同性愛者を受け入れられない人がたくさんいることも現実です。
友人関係・家族関係が壊れてしまうかもしれないというデメリットも念頭に置く必要があります。

 

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カミングアウトは必要か?

身も蓋もないですが、「必要な人がするもの。」というのが僕の結論です。

周囲を見ていてカミングアウトしないと苦しくて苦しくてたまらないという状況の人は少なく感じます。ノンケとしての一般生活とゲイタウンやゲイアプリ、SNSなどでの生活を並行することで十分、充実のゲイライフが送れるためです。

ただ、僕のようにカミングアウトをしないことで窮屈感を覚える人にとってはカミングアウトは大きな価値があります。気が楽になるということが第1のメリットですが、カミングアウトを受け入れてもらえるような信頼関係をしっかり築く関わりを人と持つことが基本となりますから、相手の気持ちを考える想像力、共通部分を探す共感力、伝えるための発信力など、コミュニケーション能力が自然と強くなる副次的効果もありました。

自分にとってカミングアウトをする価値はどれほどのものなのか?リスクを背負ってまでする価値はあるのか?一度考えてみると良いかもしれません。相手選びと必要性の有無が大切なポイントだと考えます。

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カミングアウトをするか悩んでいる方へ

最後に僕の経験の中で感じた2つのことをお伝えできたらと思います。

①ゲイであることがすべてではない

どんな時と場所でも「自分はゲイです。」と公表して生きる必要はありません。特に、仕事をする上では知られてしまうことでその仕事を続けるのが難しい職種も多いです。医師や教師はクレームにつながる可能性がありますし、営業職も多種多様な方々に関わるので、あらぬ誤解やトラブルのもとになります。

ゲイであることは自分の中で大きく大切な個性ではありますが、ゲイであることが全てではないという意識は大切だと思います。

② 相手に理解してもらうには自分磨きも大切

ゲイかどうかということ以上にその人に魅力があるかどうかのほうが大切です。

初めて男性を好きになったとき、相手がゲイかどうかということは考えていなかったはずです。少なくとも僕はそうでした。その人を素敵だなと感じて、一緒にいるときは嬉しくて楽しくて、一人でいるときは思い出してドキドキしていました。ノンケを落とせるかどうかは置いておきますが(笑)、自分が好きな人に素敵な人だなと思ってもらえる自分を目指して、自分磨きを続けることが一番大切だと思います。

 

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Photo by Dmitri Popov on Unsplash
Photo by 
Felix Russell-Saw on Unsplash
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Peter Hershey on Unsplash

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