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2001年にオランダで同性婚が合法になってから現在まで、同性婚の合法化は世界のムーブメントの一つになっている。アメリカ全州での同性婚合法化や台湾での同性婚不可に対する違憲判決など今後同性婚が可能になる台湾を含めると22か国にまで同性結婚ができる国が増加した。同性パートナー制度に関しては25か国あり、LGBTsの人たちもストレートとほぼ同等の権利を持つことができる状態になっている。

同性結婚の合法化はこの十数年間で急速に進んでおり、今後も更なる拡大が予想されている。

今回は、そんな同性婚が合法化された国の中からアメリカとコロンビアを例にとり、同成婚の合法化前後の社会の変化を紹介する。

LGBT 地図

 

【アメリカ合衆国】

アメリカでは2015年6月に全州で同性婚が合法となった。それから半年の間に約20万人が結婚しており、判決前と合わせると10万人近くのLGBTsの人たちがパートナーと婚姻関係を結んでおり、その経済効果は900億円を超えている。

同性結婚をするカップルが増えたことでカミングアウトをする人が増え、周囲の理解も促進された。特に若者層に対する調査では約70%が同性婚へ賛成という結果がでており、合法化から二年足らずで同成婚が一般化しつつある。

また、米国医師会誌(小児科学)の調査では同性婚の合法化により自殺率が減少することも報告されている。

この調査は1999年~2015年までに報告された各州の自殺未遂の割合を同性婚が合法化された州とされていない州で比較したもので、同性婚の合法化された州では同性婚が法的に認められていない州に比べてLGBTsの若者の自殺未遂件数が14パーセント減少しているという調査結果が出た。

同性婚が一般化することで、LGBTsがカミングアウトをしやすい状況になった。周囲の理解が進むことで偏見にさらされることも減り後ろめたさを感じながら生きる必要がなくなったことが自殺率低下の原因だということだ。

同性婚の合法化により、多様性を受け入れる社会の実現が大きく進んでいるアメリカ。自殺率の低下や経済への影響などLGBTsだけでなく同性婚の合法化が社会全体に大きな恩恵をもたらす結果となっている。

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【コロンビア】

南米コロンビアでは2016年の4月に同性婚を合法化する判決が下された。

コロンビアではシビルユニオン制度があり、保険や相続などの権利を獲得していたが、結婚の権利だけは保証されていなかった。今回の判決により、LGBTsはストレートとほぼ同様の権利を獲得することになった。

コロンビアでは同性婚の合法化以降、同性婚だけではなく多様なパートナーとの関係性が表れ始め「ポリアモリー」の関係を法的に認める意見が増加していた。そして、ついに今月18日には男性3人の結婚(ポリアモリー)が裁判所で認めら、国内初のポリアモリートリオが誕生した。

※「ポリアモリー」は日本語で言うと「複数恋愛」のことであり、不倫や浮気とは違い、複数の人間と誠実に親密な関係を築くことを指す。

関係者全員の合意に基づき、多重的な性愛関係やロマンチックな関係を営むライフスタイル、また その関係性のことである(Wikipediaより)

コロンビアでは性的指向に関わらずポリアモリー関係を築いているカップルが増加しており、裁判所も同性婚が合法化したことでポリアモリーも認めざるを得なかったということだ。

コロンビアでは同性婚が認められたことで他のマイノリティーの人たちの権利の獲得も進み始めた。しかしその反面でポリアモリーだけではなく近親相姦や小児愛などを認めるか否かという問題もあり、今後の議論が予想されている。

コロンビア男性

今回はアメリカ合衆国とコロンビアを例にあげて紹介した。両国ともに同性婚の合法化によりLGBTsへの理解が進むだけではなく、経済や他のマイノリティーの人たちにも影響を与える結果となっており、その恩恵は大きいと言える。

日本では渋谷区、世田谷区、伊賀市、宝塚市、那覇市で同性パートナーシップが認められているが、世界と比較するとまだまだLGBTsへの理解は進んでいない状況だ。イタリアにて同性婚に相当する「シビルユニオン」が可決されたこともあり、G7の中で同性カップルの法的権利のない国は日本だけとなっている。

世界では、LGBTsフレンドリーであるかどうかが企業の業績を左右する状況になりつつあり、東京オリンピックを見据えて日本においても同性婚の合法化などLGBTsへの対応が急務となっている。行政におけるLGBTsへの関心を高め、パートナー制度の設定や法整備を進めていくことが今後求められているのではないだろうか。

写真はFacebook:Manuel José Bermúdez Andrade、国際レズビアン&ゲイ協会(IGLA)ホームページより

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