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4月27日、与党・自民党の「性的指向・性自認に関する特命委員会」はLGBTなどのセクシャルマイノリティへの差別解消に関する党の基本方針をまとめた。

性的マイノリティへの国民の理解が深まるよう基本計画作りなどを政府に義務づけている。差別禁止規定や罰則は設けていない。朝日新聞デジタルによると、議員立法として今国会への提出を目指すという。概要では、人の恋愛・性愛がいずれの性別を対象とするかを「性的指向」、自分の性別をどう認識するかを「性自認」と定義。性的指向と性自認の多様性を国民が理解し、尊重し合う社会の実現を目指す理念を掲げた。政府の基本計画の実施状況を国会に報告することも義務づけた。基本方針では、東京都渋谷区などで始まった同性カップルを夫婦と同じような関係と認める「パートナーシップ制度」については、国民の性的指向・性自認に対する理解の増進が前提であり、その是非を含めた慎重な検討が必要だとしている。(ハフィントンポスト2016/04/28)

保守派議員の中では、同性婚が制定できない根拠として憲法24条の規定を重視する意見が多い。憲法24条には「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない」と記されているからだ。保守派はこの「両性の合意のみ」「夫婦」という文言を引用し、同性婚の制定は憲法で認められていないと主張するが、この解釈は正確ではない。

憲法制定当時の日本は「家父長制」が強く、親による結婚の強制や男性による女性支配が家庭の中に色濃く存在していた。そうした中で、この「両性の合意のみ」という文言は、こうした「家父長制」に縛られることなく、当事者間の意思で自由に結婚ができるようにしたものだ。「夫婦」という言葉についても、当時は同性婚がそもそも想定されていなかったためにこの表記が使用されただけで、ここに「同性同士の結婚を禁止する」という意図は含まれていない。

逆に憲法14条には「平等権」が定められており、異性同士の結婚は認め、同性同士の結婚を認めないのは憲法の理念に反しているとも言える。

夏に選挙も控えており、この分野においても更に議論が深まることを期待する。

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