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オランダ、ベルギー、アメリカなど世界では20数か国ですでに同性婚が認められています。
日本でも渋谷区による「パートナシップ」が交付され始めたが、これはあくまで「パートナシップ」であり同性婚を認めたものではありません。ではなぜ日本で同性婚ができないのでしょうか。
同性婚をめぐる基礎的な問題点をまとめてみました。

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出典:photo-ac.com

01.憲法で想定さてていなかったから

憲法24条の第一項に以下のように規定されています。 「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。」

問題となるのは「両性の合意に基づいて」「夫婦が」という部分。 ここが同性婚を議論するときに度々引き合いに出されます。

反対派の主張でよく見られるものは、「両性」「夫婦」という言葉は「男性と女性」という異性愛者同士のことを示し、 同性婚を認めているわけではないという主張です。

一方で同性婚が認められるべきと主張する人は、「憲法作成時にはそもそも〈同性婚〉を想定しておらず、認めることも禁止することも考えていなかった」ことを前提に 13条の「すべての国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。」 14条の「すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。」という規定を出し、 同性婚を後押しするものであると主張しています。

この同性婚について、憲法の記述をどう捉えるかという裁判はまだ行われていません。 近い将来に行われるであろうこの問題の行方に注目したいです。

02.同性婚をめぐる誤解があるから

同性婚ができない理由として「同性婚をめぐる誤解」があります。 この「誤解」により、社会に正しい知識が根付かず、法制化の妨げとなっています。 世の中を変えるには国民の民意が必要です。その民意が正しい方向に向いていないと、中々前に進むことができないのです。

その間違った認識とも言える「誤解」ですが、以下の様なものがよく聞かれます。

・「同性婚が進むと少子化になる」

・「なぜ同性で結婚しないといけないのか分からない」

・「〈パートナー〉という関係性では満足出来なのか」

・「同性婚が進むと犯罪が増える」

・「同性婚が可能になると人類社会が崩壊に向かう」

この他にも様々な意見があります。

あえて全ては考察しませんが例えば「少子化になる」というのは明らかな誤解です。 たとえ同性婚が可能になったとしても、異性愛者は異性愛者であり、いきなり同性愛者になるわけではありません。 同性婚を認めたら同性愛者が増えるという意見は、「異性愛者が同性愛者になってしまう」というトンデモ論を語っているわけで事実とは全く異なります。逆に同性婚が認められれば、子供を望む同性パートナーの家庭も当然生まれます。 事実、オランダやデンマークなど、世界では同性婚を認めてから出生率が上がった国の方が多いです。 これらの誤解の一つひとつを解いていかねばいけないのは当事者にしてみればとても辛い作業でもあります。

 

03.当事者が声を上げないから

当然当事者にも原因はあります。 それは「当事者が声をあげない」ことです。

どのマイノリティもそうですが、声を上げないと認知してもらえないのです。 自分は声を上げないにもかかわらず、わかってほしいというのはワガママな話かもしれません。

しかし他のマイノリティと比べ、LGBTは声を上げにくいということも知っておかねばなりません。今の日本では言い出すリスクが高すぎるからです。 それぞれの仕事を持ち、キャリアを歩んでいる途中でカミングアウトという「一か八かの賭け」をあえて挑む人は中々いません。

しかし、声を上げるということはカミングアウトすることが全てではありません。イベントに参加したり、SNSを使って拡散することも立派な「声」になります。 各々が自分にできる行動を起こすことが必要です。

まとめ

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お互いの理解を深め、社会の雰囲気そのものを変えていく必要があります。


憲法、法律の面では同性婚の判決を待つよりほかなりません。 しかしたとえ法律で同性婚が許可されたとしても、同性婚への誤解がある限り、 結婚への躊躇は続くのではないでしょうか。 仕組みも大切ですが、社会の雰囲気そのものを変えていくことが一番重要です。 その人がその人らしく生きていけるように、当メディアも応援していきます。 今後も記事を立て、この問題を深めていきたいと思います。

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