ゲイ、LGBT、正しく説明できる?
ゲイ、LGBT、SOGI、Ally…
性、セクシャリティに関する言葉をあなたは正しく説明できるだろうか?
性の在り方は人それぞれであり、男性/女性と二元論だけでは決して一人一人の性を正しく語ることができない。
そもそも言葉にあてはめる必要すらないかもしれないが、性の在り方や性に関連する言葉を正しく認識できなければ、多様性を実現していくこの現代社会を生きる者として時代から取り残されていくだろう。
からだの性が男性である人が、好きになる性も男性である人のことをゲイと言い、ゲイのように何らかの意味で「性」のあり方が多数派と異なる人のこと性的少数者(セクシャルマイノリティ)と言う。
性的少数者は日本人口のおよそ8%で、この割合は左利きの人の割合とほぼ同値である。
単純計算をすれば40人クラスの中では3.2人が左利きであり、同じく3.2人が性的少数者だ。
「身近に性的少数者はいない」と言う人がいるが、いないのではない。知らないだけだ。
己の無知で存るものを無いものにしてはならない。
今ならまだ間に合う。言葉を知ることで知らなかった過去の自分に別れを告げよう。
セクシュアリティ(sexuality)
セクシュアリティとは、性のあり方のこと
性のあり方を決める要素は、以下4つに分けることができる。
・からだの性「法律上の性別」
・こころの性「性自認」
・好きになる性「性的指向」
・表現する性「ジェンダー表現」
「からだの性」と「こころの性」は、必ずしも一致するものではなく、「好きになる性」の対象は、異性だけではなく同性や両性もある。
LGBT
LGBTとは、以下単語の頭文字を組み合わせた言葉であり、性的少数者を表す。
・レズビアン(Lesbian):女性として女性を好きな人
・ゲイ(Gay):男性として男性を好きな人
・バイセクシュアル(Bisexual):異性・同性どちらも好きになることがある人
・トランスジェンダー(Transgender):生まれた時の体の性別「法律上の性別」と自身が認識する心の性「性自認」が異なる人
LGBTQAI+
LGBTQAI+とは、LGBT加えて以下単語の頭文字を組み合わせた言葉であり、同様に性的少数者を表す。
・クエスチョニング(questioning):性自認もしくは性的指向が定まっていない、あるいは意図的に定めていない人
・クィア(queer):LGBTに含まれない性的少数者を含む概念であり、多様な性の在り方に配慮した言葉
・インターセックス(Intersex):生まれつき男女両方の身体的特徴を持つ人
・アセクシュアル(asexual):恋愛感情や性的欲求を抱かない人であり、エイセクシャルとも言う
その他、様々な性の在り方を表すため「+」が加えられている。
カミングアウト
カミングアウトとは、自分が性的少数者であることを、他者に話すこと。
カミングアウトの対象は、親、友人、職場など様々であり、個人差がある。
また、カミングアウトをしないという選択、あるいはカミングアウトができない状態である人もいる。
アウティング
アウティングとは、本人の承諾なく、その人が性的少数者であることを他者に話すこと。
カミングアウトを受けた内容を、本人の承諾なく望まない他者に口外した場合、当事者のプライバシーを侵害する行為となる。
Ally(アライ)
Ally(アライ)とは、「仲間」「味方」「同盟」を意味する英単語の「Ally(アライ)」が語源であり、LGBTなどの性的少数者を支援したい、寄り添いたいという考えを持つ人。
全ての人の価値観と向き合う姿勢があれば誰でも表明することができ、現在は「性的少数者である・ないにかかわらずAlly(アライ)になろう」という動きが世界的に広まっている。
レインボーカラーはAlly(アライ)であることを表明する手段の一つでもある。
LGBTフレンドリー
LGBTフレンドリーとは、性的少数者に対して協力的な姿勢を示す個人や組織を表す。
「Ally(アライ)」と類似した言葉であるが、「Ally(アライ)」は、LGBTフレンドリーよりも一歩進み、積極的に支援や運動を行う人を指す。
「LGBTフレンドリー」は組織や団体に使用されることが多く、LGBTに配慮した制度や環境の整備などを行う企業のことを表す。
SOGI(ソジ)
SOGI(ソジ)とは、好きになる性「性的指向」を表す「Sexual Orientation」と、こころの性「性自認」を表す「Gender Identity」の頭文字を組み合わせた言葉であり、人の属性を表す。
LGBTは特定の「人」を指すのに対し、SOGIは「どの性別を好きになるのか」「自分自身をどういう性と認識しているのか」という「状態」を表している。
SOGIに関する侮辱的な言動をSOGIハラ(ソジハラスメント)と言われるようになり、SOGIの言葉は広がりつつある。