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10月11日、「国際カミングアウトデー(National Coming Out Day)」として、今年は一段と話題となった。

国際カミングアウトデーは、カミングアウトを祝福する日であり、近年日本でも認知されるようになってきている。
決してカミングアウトは推奨および強制するものではないが、カミングアウトのきっかけの日として位置付けられている。

カミングアウトの意味を改めて考えるにあたり、まずは国際カミングアウトデーの誕生を巡る。

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国際カミングアウトデーの誕生の経緯

1979年10月14日

ハーヴェイ・ミルクが凶弾に倒れて1年後、またストーンウォールから10年後にあたる年に、ゲイやレズビアンが人権を勝ち取るため、米国ワシントンD.C.にて「レズビアンとゲイの権利のためのワシントンマーチ」を開催した。

これは、初めて国家規模のプライドマーチとされており、全国から75,000〜125,000人もの人たちが集まった。

1987年10月11日

第2回目「レズビアンとゲイの権利のためのワシントンマーチ」が開催。

エイズ禍で多くのゲイやバイセクシュアル男性が亡くなっているにも関わらず、レーガン政権下において対策がなされず、多くの死者が出ている問題、ジョージア州のゲイカップルが自宅でセックスしていたことを理由に訴えられたことをきっかけとする州のソドミー法(同性間のセックスを犯罪とみなす法律)の違憲性をめぐった裁判が最高裁まで行われていることが主なテーマであった。

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ワシントンD.C.には、初回のマーチを大きく上回る約50万人の人々が集まり、盛大にマーチが開催された。
マーチが開催後、米国各地で同様のプライドイベントが開催され、この一大ムーブメントは約4ヵ月にもわたり続いた。

このワシントンマーチに参加した心理学者のロバート・アイヒベルクと、NYを拠点とするLGBT活動家でありレズビアンの活動家ジーン・オリーリより、1988年10月11日を”National Coming Out Day”に位置付けると提唱された。
ストーンウォール以来の大規模な運動であり、全国規模のイベントとして成功したワシントンマーチを記念し、6月のPRIDE月間だけでなく、もう1つのPRIDEを祝う日を設けることが狙いとされた。

当時のエイズ禍との闘いにおいても、カミングアウトによる可視化は重要な意味を持っていた。
初年1988年は、米国の18州にてカミングアウトデーを祝うイベントが開催され、その後21州に増加し、世界中に広がった。

世界中に広がると並行し、名称は「全国」カミングアウトデーから、実質的な「国際」カミングアウトデーになった。
なお、日本では「国際カミングアウトデー」という表記が一般的になっている。

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1990年以降、主催団体は、同性婚運動の推進活動や、企業のLGBT施策の評価指標である「コーポレート・イクオリティ・インデックス」の主導元であるヒューマン・ライツ・キャンペーンに移行した。

カミングアウトデーには、学校やコミュニティなどの場所で、展示や集会、パレードなどのイベントが行われ、ゲイやレズビアンなど性的マイノリティの存在を訴えた。
また、多数の著名人がカミングアウトデーに賛同し、応援メッセージを発信、あるいは性的マイノリティであることをカミングアウトし、多くの当事者への励ましと社会への啓発の役目を果たした。

日本では、2017年以降、10月11日のカミングアウトデーに、企業向けセミナーイベント「work with Pride」が開催されるようになり、2020年には「プライドハウス東京レガシー」がオープンしている。

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“カミングアウト”とは

カミングアウトとは、「ゲイである」などと、LGBT当事者であることを相手に伝えることだ。

「ゲイである」という性的指向(好きになる性の対象)だけではなく、性自認(自分に対して認識している性)を伝える場合もカミングアウトに含まれる。
この場合の相手とは、一対一の個人を表す場合もあれば、家族・友人・職場など集団や組織などの複数人を表す場合もある。

カミングアウトを語るときには、常に「誰に」という相手がセットになることを念頭に置く必要があり、カミングアウトをされた立場であったとしても、そのカミングアウトの対象は他者も該当しているとは限らない。
カミングアウトされた内容を、当事者本人に了承を得ず、望まない個人や集団・組織に口外した場合、当事者のプライバシーを侵害するアウティング行為となる。

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全てのゲイや性的マイノリティがカミングアウトをしているわけでく、カミングアウトするかしないかは個人により選択されるべきだ。

また、どのようなセクシャリティであるか問わず、セクシャリティとは個人的なことであり、セクシャリティの開示は決して義務ではなく、推奨をすることでもない。
個人が希望する場合のみ、望む方法・望む範囲で開示ができる環境が必要であり、同時に、カミングアウトするかしないか問わず、セクシャリティ問わず全ての人が生きやす社会の実現が早急な課題である。


 

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