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「不安や悩みを抱える(LGBTの)児童生徒が相談しやすい学校の環境づくりを推進する」。LGBTの子どもに対する、小中高生の教員向けの手引を公表した文部科学省の動きについて、馳浩文科相がこう名言した(出典は、朝日新聞デジタル 2016年4月2日)。

ただ、教育現場において、LGBT教育が順調に進むかどうかについて、筆者は半信半疑の気持ちである。小・中・高校の教科書において、2017年度からLGBTテーマの掲載が決定したのは、高校のみだからだ。

前回の記事(https://rainbowflag.jp/job/article/1433/)でも指摘している通り、小・中学校での、LGBTに関する教育が行き届いていないことに、各所から不満が広がっているのである。

筆者としては、馳浩文科相に、小・中学校の教科書へのLGBT記載を求めたい。

ただ、教員向けにLGBTの理解促進を促そうと、文科省が腰を上げたことは喜ばしい。下記に、一例を紹介したい。

(文科省が、前述の手引の中で)どの性を好きになるかを示す「性的指向」と混同しないよう注意した。さらに、性的指向に関わる同性愛と両性愛に言及し、「偏見や差別が起きている」と明記した。子どものいじめ被害や不登校、自殺にもつながる危険があるとされ、手引を教育委員会担当者向けの研修などで使い、現場に周知するよう求める考えだ(前掲)。

一方で、学校教員の中の、LGBTに関する差別や偏見の一例が紹介されている。

記事によると、教員研修でLGBTに関する提案をした小学校の教員が、〈「ふさわしくない」「性的少数者の子どもが増えてしまう」などと批判された〉(前掲)という。

このような、差別や偏見を解消する方法について、以前の記事でも紹介したが、三重大学講師の栗田氏の見解が参考になるので再掲しておきたい
(以前の記事URL:https://rainbowflag.jp/utility/article/672/)。

差別心を除くためには、①差別・偏見の概念は、誰しもが持ちあわせていること、②私たちは差別に対応する柔軟性があるということ、③人の心の特徴を知ること、の3点を認識することが重要という

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