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「人材採用において、LGBTの当事者・非当事者を分け隔てなく、評価している」。当メディアが、日本企業の人事担当者を取材していると、このような話を聞くことがある。

ただ、仕事や理解のある職場を探すことが難しいとされる当事者にとっては、前述のような話は、「企業側の建前」と捉えていても不思議ではないだろう

そのような中、老人ホームサービスの「笑美面(えみめん)」が実施した、LGBT当事者と人材不足に悩む介護事業者を結びつける就労支援イベントの取り組みが興味深かった。

例えば、LGBTに対する職場環境の改善策を提示した企業側に対して、説明を受けた当事者が、好意的な感想を述べていた。

「(採用面接を受けた当事者は)事業者側からトイレや更衣室の使い方を改善すると聞き、気持ち良く働けそうだ」と期待を示した(東京新聞 2016年3月21日 25面)

また、介護施設の事業者は、「LGBTを問わず、良い人材ならば歓迎したい」(前掲)との考えを明示した。

LGBT当事者の積極的な採用を「建前」だと、当事者から捉えられた場合でも、事業者側が、支援・改善策を示す(できれば、誓約的に)ことで、当事者から徐々に信頼を得られるかもしれない。

もちろん、LGBT当事者を特別扱いする必要はない。ただ、前述のトイレや更衣室の件のとおり、マジョリティーが当然のように受けられる権利やサービスを、マイノリティー(少数者)が受けられていないのであれば、改善すべきであろう。

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