名古屋を中心に全国のレインボーパレードやイベントなどで活動をするアイドルグループが居る。
彼女たちのグループ名は「NSM=」(Nagoya sexual minolity equal /ナゴヤ セクシュアルマイノリティ イコール)
メンバーは全員、LGBT当事者。リーダーの樹梨杏さんはレズビアン。その他メンバーはバイセクシュアル・FtX・FtMなど多様なセクシュアリティで構成されている。
イコールには…
「平等な権利が欲しい」
「わたしたちもみんなと変わらない存在だと伝えたい」
という思いがあるそうだ。
結成は7年前。
当時は名古屋で開催されているゲイのAIDS予防啓発のためのイベントNLGR(現在はNLGR+としてLGBT全体のイベントになっている)でAKB48の振り付けコピーをするグループとして結成されたが、一度限りでは勿体無いという声が多かったためアイドル活動を通じてLGBTの啓発活動が出来ないかと考え、名古屋のセクシャルマイノリティのイベントなどに呼ばれるようになった。
事務所などには所属せず、その活動に賛同する有志のサポートメンバー達と製作委員会という運営母体を構成し、マネージャー業やグッズデザイン関連、オフィシャルホームページ製作などを行っている。そのサポートメンバーも全員がLGBT当事者だ。
アイドル活動を通じてのLGBT啓発活動とは一体どのような内容なのか?そして、まだまだ偏見が残る状況の中、LGBT当事者として顔を出して活動するリスクなどを孕みながらも活動するそのモチベーションはどこから来ているのか?リーダーの樹梨杏さんに伺ってみた。
樹梨杏さん独占インタビュー!
Q.なぜ啓発活動にアイドルグループという形を選んだのでしょうか?
昔は啓発活動を疑問に思っていました。カミングアウトしていませんでしたが周りに悩みを話せる友人もいた為、これといってLGBTの存在を大きく伝える必要がないと思っていました。ですが、年齢を重ねるうちに「言えない」「誤魔化さなければならない」そんなストレスが増え、タイミングや状況を考えず両親にカミングアウトをしました。結果、両親と上手くいかなくなってしまいました。
親も一人の人間。理解出来ないものは理解出来ない。そう理解していても…やはり自分に自信が持てませんでした。
自分自身が初めて生き辛さを感じた時に、こういう悲しい思いをしている人達はたくさん居るのかもしれない。そう思ってから、自分に出来る事を少しでも頑張ろう。私も啓発活動に参加しようと思ったのです。
私にとってNSM=の活動は最初は本当に個人的なものだったのかもしれません。レズビアンである自分を肯定するため。啓発活動をして世の中が変われば、両親も認めてくれるかもしれない。そう思いました。
レズビアンでも友達はたくさん居るし、恋人とだって仲良く出来る。そのおかげで仕事だって頑張ってこれた。LGBTは決して不幸な人でも特殊な人間でもない。どこにでも居る普通の女の子と変わらない身近に居る存在なんだよ。だから明るくキラキラしている所を見てもらいたい。それを分かりやすく伝えることが出来るのはアイドル活動だと思いました。
Q.活動から得られたものなどをお聞きしてもよろしいでしょうか?
活動をすることで当事者や当事者のご家族・ご友人からの相談のメールが増えました。学生さんからの相談が多いです。あとはTVや新聞などのメディアにも取り上げて頂く機会に恵まれています。
このインタビューもアイドル活動をしていたから頂けたお話だと思っています。ありがとうございました。(笑)
インタビューを終えて
着実にファンを増やし、LGBT当事者に愛されてきたNSM=。リーダーの樹梨杏さんにお話を伺ったが、本当にどこにでもいる”普通の女性”といった雰囲気だった。明るく柔らかく、非当事者へLGBT啓発活動をする手段としてもアイドル活動というのはとても良い方法だと思う。
一般のイベント参加やメディア露出が増え、NSM=はLGBT当事者の存在をより多くの人達に伝えていける機会が増えてきた。その勢いを継続し拡大していく鍵を握っているのは彼女たちの活動を応援するファン。リーダーの樹梨杏さんの笑顔、元気なステージングでこれからも全国にファンを増やし続けて頂きたい
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NSM=公式HP( URL http://nsm-equal.net)
こちらでは樹梨杏さん以外のメンバーのチェックやオリジナルソング3曲が収録されたファーストミニアルバムの視聴が可能。本記事でNSM=に興味を持った方はチェックして頂きたい。
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