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人権デーとは

12月10日は、世界人権宣言が採択された日であり「人権デー(Human Rights Day)」である。

法務省の人権擁護機関では、人権デーを最終日とする1週間、令和4年12月4日(日)~12月10日(土)を、「人権習慣」と定めており、今年は第74回人権週間である。

昭和23年12月10日、国際連合第3回総会において、「すべての人民とすべての国とが達成すべき共通の基準」として、「世界人権宣言」が採択された。

世界人権宣言とは

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20世紀、世界を巻き込んだ大戦が二度も起こり、特に第二次世界大戦中においては、特定の人種の迫害や大量虐殺など、人権侵害や人権抑圧が横行した。

この経験より、人権問題は国際社会全体にかかわる問題であり、人権の保障が世界平和の基礎であるという考え方が主流となった。

「世界人権宣言」は,基本的人権尊重の原則を定めたものであり、それ自体が法的拘束力を持つものではないが、初めて人権の保障を国際的にうたった画期的なものである。

この宣言は、全ての人々が持っている市民的、政治的、経済的、社会的、文化的分野にわたる多くの権利を内容とし、前文と30の条文から構成されており、世界各国の憲法や法律に取り入れられるとともに、様々な国際会議の決議にも用いられ、世界各国に強い影響を及ぼしている。

さらに、世界人権宣言で規定された権利に法的な拘束力を持たせるため,「経済的,社会的及び文化的権利に関する国際規約(A規約)」と「市民的及び政治的権利に関する国際規約(B規約)」の2つの国際人権規約が採択され、その後も個別の人権を保障するために様々な条約が採択されてる。

これらの条約が保障する権利の内容を理解し、広めていくことが一人一人の人権を守ることにつながる。

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年間強調事項17項目と「ゲイ」

より強化して人権を守るため、以下17項目が年間協調事項として挙げられている。

(1)女性の人権を守ろう

(2)子どもの人権を守ろう

(3)高齢者の人権を守ろう

(4)障がいを理由とする偏見や差別をなくそう

(5)同和問題(部落差別)を解消しよう

(6)アイヌの人々に対する偏見や差別をなくそう

(7)外国人の人権を尊重しよう

(8)HIV感染者等に対する偏見や差別をなくそう

(9)ハンセン病患者・元患者・その家族に対する偏見や差別をなくそう

(10)刑を終えて出所した人に対する偏見や差別をなくそう

(11)犯罪被害者とその家族の人権に配慮しよう

(12)インターネットによる人権侵害をなくそう

(13)北朝鮮当局による人権侵害問題に対する認識を深めよう

(14)ホームレスに対する偏見や差別をなくそう

(15)性的指向及び性自認を理由とする偏見や差別をなくそう★

(16)人身取引をなくそう

(17)東日本大震災に起因する偏見や差別をなくそう
上記(15)のとおり、年間強調事項として「性的指向及び性自認を理由とする偏見や差別をなくそう」と挙げられている。

男性でありながら性的指向が男性であることをゲイといい、セクシャルマイノリティに該当する。

セクシャルマイノリティであることを理由に、社会の中で偏見の目にさらされ、職場において昇進が妨げられたり、学校生活でいじめられたりするなどの差別を受けることがある。

では、セクシャルマイノリティを理由とする偏見や差別をなくすために、具体的な国の対策や個人で出来ることは何だろうか?

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ゲイの偏見をなくすために

・労働施策総合推進法

労働施策総合推進法とは、1966年に制定された「雇用対策法」を改正し、労働者が生きがいをもって働ける社会の実現を目的として成立したもの。

労働施策総合推進法に基づいて定められたパワーハラスメント防止のための指針において、ゲイなどセクシャルマイノリティや相手の性的指向等に対して侮辱的な言動を行うこと等をパワーハラスメントといい、いわゆるセクシャルハラスメントと定められている。

労働施策総合推進法は改正されており、職場におけるパワーハラスメント対策として令和2年6月1日より大企業にて、令和4年4月1日より中小企業にて義務となった。

この改正にともない、職場におけるセクシュアルハラスメント対策や妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント対策が、事業主の義務とされている。

また、学校等においても、児童生徒等に対するきめ細かな対応や、適切な教育相談が行われるよう、教育関係者への働きかけが行われている。

・アンコンシャス・バイアス

アンコンシャス・バイアスとは、日本語で「無自覚の偏見」のこと。

例えば、30代間際の男性に対し、「いつ結婚するの?」「彼女は?」と質問した場合、これは恋愛対象が女性であり、なおかつ結婚願望があるという前提での質問だ。

しかし、実際は「ゲイ」である場合、このようなアンコンシャス・バイアスによって生まれた発言により、相手に不快な思いをさせる可能性がある。

アンコンシャス・バイアスはその名通り、無自覚が故に意図せず相手を傷つけてしまうが、このアンコンシャス・バイアスは日常にありふれている。

アンコンシャス・バイアスによって誰かを傷つけることを防ぐため、私たちに出来ることは、何気なく発する言葉に対し、この言葉は適切かと一度考え、そのうえで発言することだ。

上記の労働施策総合推進法のように、法やルールで解決することは必要であるが、私たち一人一人ができることの積み重ねこそ重要ではないだろうか。

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最後に

「すべての人民とすべての国とが達成すべき共通の基準」

私たちは一人ひとりがお互いの違いを認め、お互いの人権を守ることが大切である。

すべての人の人権が守られるために、互いを尊重し合うことをこの人権デーに誓おう。


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