LGBT向け不動産はなぜ必要なの?LGBTが部屋探しでぶつかる壁

企業におけるLGBTフレンドリー

株式会社リクルート住まいカンパニーの運営する『SUUMO』に「LGBTフレンドリー」の項目が追加されることが発表された。

今回の項目追加はLGBTであることを公表することで偏見を受けるのではないか、逆に同性カップルである事実を隠して入居することで問題が起きないかなど不安を抱えるLGBT当事者に対して「LGBTであることを理由として入居の相談や入居自体をお断りすることはない」ということを示すものであるという。また、項目の追加に合わせて物件のオーナ向けの勉強会も実施することでLGBTに対する偏見も減らしていくとのことだ。

業界大手の『SUUMO』がLGBTへの対応を本格的に開始したことで、不動産業界にてLGBTの対応が進むことが今後予想される。

■「LGBTフレンドリー」項目を追加する背景

・LGBT当事者のなかには、LGBTであるとわかることで奇異の目でみられるのではないか、入居を断わられるのではないか、あるいは、同性同士2人で入居するつもりで事実を隠して契約し、後日トラブルになってしまうのではないか、など、LGBTでない方なら心配しなくてよいことで悩んでいる方がいます。
・そこでSUUMOでは、LGBTであることを理由として入居の相談や入居自体をお断りすることはないことを、賃貸物件広告において積極的に表明していただく特徴項目を設けることで、LGBT当事者の不安を払拭し安心してお部屋探しができるようサポートしたいと考えています。

(引用 リクルート住まいカンパニーサイト:http://www.recruit-sumai.co.jp/press/2017/02/diversity-cintai.html)

 

LGBTの部屋探しの実態は?

株式会社リクルート住まいカンパニーの行ったLGBT191人を対象とした調査によると、同性カップルの41.9%が「「単身契約した部屋に内緒で2人で入居した」、37.9%の人が「兄弟姉妹などと関係性をごまかして入居した」と回答しており、約80%の人が同性カップルということを隠して入居しているという結果が出た。
また、トランスジェンダーの方が抱える悩みとして外見と性別が一致しないことでセクシャリティーのカミングアウトが必要になることやそれを理由に断られてしまうことがあるということが挙げられ、実際に15%の人が外見と性別の不一致で断られているのだという。
「カミングアウトすることへの心理的な負担が大きい」「LGBTであることが理由で選べる物件が少ない」という部分が課題感としてあるようだ。

LGBTフレンドリーな不動産屋の存在意義

現状として、LGBTの当事者の中で一定数は不動産購入の際にセクシュアリティーの壁を感じており、そういった意味でLGBTの方へ配慮した不動産は大きな価値があると感じられる。

実際にLGBTフレンドリーな不動産屋には問い合わせが殺到しているとのことだ。
しかし、LGBTの方からのニーズが増えている反面セクシュアリティーが原因で断られてしまうケースも発生しており、周囲の理解が遅れているとも感じた。

今後は社内のLGBT理解の促進だけではなく、大家さんなど外部の方への理解促進が求められているのではないだろうか。

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