今月25日にNYでLGBTの権利を守るプライドパレードが行われ、数千人が参加した。
今回のパレードは特にトランプ氏の反LGBT政策に抗議するもので、「WE RESIST」と書かれた横断幕やトランプ氏を批判する看板を掲げた参加者が目立った。
トランプ氏は選挙以前から同性婚反対の姿勢を示すなど反LGBT的だとされてきた。実際にトランスジェンダーのトイレの使用をめぐる問題では「トイレ法」を擁護し、反LGBTsの立場をとり、今年の2月にはLGBTsの権利を制限する大統領令が起草されるなどトランプ氏当選以降反LGBTsの政策が推し進められている。
オバマ政権下では全州同性婚合法化やLGBTsへの差別を禁止する大統領令がだされるなど、LGBTsへの支援が大幅に進められたアメリカであったが、政権交代してからは暗雲が立ち込めている。
同性婚合法化の見直しや「トイレ法」を擁護するなど反LGBTsであるとされているトランプ氏であるが、一方でフロリダ銃乱射事件の際の「私はあなたたちのために戦う」と発言するなど、LGBTsに対する支援をする姿勢も示している。
選挙時にコロラド州で行った演説では「LGBTs for TRUMP」と書かれたレインボーフラッグを掲げるなどトランプ氏のLGBTsへの対応はころころと変化してきた。
これらの状況を見てみると選挙や支持率等の利害関係を考慮しなければLGBTsへの関心はあまりなく、その場で有利な方に意見を合わせているのではないかというのが率直な印象だ。
実際に「多くの大統領令がある中で同性婚の見直しは最優先でない。」という発言もしており、LGBTsへの関心が低いゆえに立ち位置が定まっていないのではないだろうか。
トランプ氏のLGBTsへの関心が低い状況でLGBTsの政策を左右するのがペンス副大統領とトランプ氏の娘であるイヴァンカ氏の存在だ。
ペンス副大統領は伝統的価値観を重んじるキリスト教福音派であり、同性婚やLGBTsの権利獲得に対しても反対の姿勢を示している。
企業や個人によるLGBTsの差別を容認する「反LGBT法」への署名や同性婚の合法化見直し、LGBTsの矯正治療を支持するなど、トランプ政権下で実質的に反LGBTs政策を推し進めているのもペンス副大統領だという見方もある
それに対してLGBTs擁護の立場をとるのがトランプ氏の娘イヴァンカ氏と夫で上級顧問のジャレッド・クシュナー氏だ。
イヴァンカ氏は非公式顧問であるとも言われており、トランプ氏に対しても忠告をするなど政策にも影響している人物だ。
LGBTsの権利を制限する大統領令が検討された際にはイヴァンカ氏がこれに反対し、阻止した。
イヴァンカ氏は今年の3月には連邦政府職員として無報酬のアドバイザーという立場で働くことが発表されており、大統領補佐官として、正式にトランプ氏に対して助言をすることができる立場になっている。
LGBTsへの政策においてはトランプ氏だけではなくペンス福大統領とイヴァンカ氏の両者の動向にも注目をしなければならないだろう。
写真はロコロコニュース、シークレットボックス、トランプの世界、ELLE ONLINE/CULTUREより