毎年恒例の開催となっているイスラエルのゲイ・プライド・パレード。政府や開催自治体は協力しあって、海外からの観光客を呼ぶために多額の広告費を使っている。しかし、そのことに関して、LGBT当事者たちから批判の声が上がった。
イスラエル最大のLGBTの非政府組織(NGO)「Aguda」代表は、「まるで一瞬にして皆の目が覚めたようだった。大金を使って観光客いっぱいの飛行機にレインボーを描くなんてばかばかしい。やっとこの政府と首相の偽善に気づいたんだ。外国に行ってはイスラエルのゲイの人々の自由について英語で自慢するのに、国に帰ってきてからヘブライ語でその話をすることは一切無い」と一蹴した。(AFPBB News2016/06/05)
政府がこのイベントのために拠出した資金額は、年間でLGBT団体に拠出している額のおよそ10倍にあたる額だという(前掲)。国外から多くの観光客を呼びたい政府の意向は理解できる。しかし、特別なイベントの時に限って、支援に前向きになるのは当事者たちから批判を浴びて当然のようにも思う。政府とLGBTコミュニティとの間の溝が埋まることを期待する。
※画像はhttp://jp.sputniknews.com/japanese.ruvr.ru/2012_06_09/isuraeru-gei-pare-do/より