足立区パートナーシップ制度:住民票の続柄表記変更で何が変わる?

2026年2月2日、東京都足立区がパートナーシップ制度の利用者に対して住民票の「続柄」欄の表記を変更できるようにする新しい制度を導入すると発表しました。

足立区が今回スタートするのは、「東京都パートナーシップ宣誓制度」または「足立区パートナーシップ・ファミリーシップ宣誓制度」の受領証明書を持つ2人が申出することで、住民票の写し又は住民票記載事項証明書、いわゆる住民票に記載される続柄表記を変更できる制度です。対象となるのは、区内で同一世帯に住むパートナー同士で、双方の申出が必要になります。

住民票は、日常生活でさまざまな場面で活用されます。病院での手続きや公的支援申請、役所窓口での説明など、「家族関係」を証明する場面でも使われることが多いものです。正式な婚姻でなくても、「続柄の表記を実際の関係に近い形にできる」ということは、本人にとって大きな安心感につながります。


※2026年1月時点での情報です。

類似した例、足立区以外にも

東京都内では、自治体レベルでパートナーシップ制度が広がってきましたが、住民票の「続柄表記の見直し」にまで踏み込んだ例はまだ多くありません。しかしながら、少しずつ増加している傾向にあります。

2024年11月からは、中野区・世田谷区が住民票の続柄欄に「夫(未届)」「妻(未届)」といった表記を認める制度を始めています。
また、品川区も同様に2025年10月から対象者の住民票記載の続柄変更制度を実施しています。

こうした区の動きは、東京都23区全体でまだ数例にとどまっていますが、今回の足立区の施策はその流れに続くものとして注目されています。

先駆けた三区はどんな制度を実施している?

ここでは、「住民票の続柄表記」まで踏み込んだモデル例として、東京都 世田谷区・中野区・品川区 の取り組みをご紹介します。

〈世田谷区の場合〉

世田谷区では、パートナーシップまたはファミリーシップ宣誓を行った人からの申出により、住民票の続柄を「夫(未届)」「妻(未届)」などに変更できます。
制度は2024年11月1日から始まり、パートナー同士であることが分かるように、住民票の続柄を変更できるようになっています。
「未届」という表現を使うことで、法律婚とは異なる関係であることを明確にしながらも、実質的な家族関係を示せる形になっています。

〈中野区の場合〉

中野区も同じく 2024年11月から、住民票に「夫(未届)」「妻(未届)」という表記を導入しました。
世田谷区と同様、パートナーシップ宣誓または東京都のパートナーシップ宣誓制度を利用したカップルが対象です。

〈品川区の場合〉

品川区は 2025年10月1日から、住民票の続柄欄を「夫(未届)」「妻(未届)」と表記できる制度を導入しています。
さらに区は、災害時の弔慰金支給制度なども制度として拡充し、法律婚ほどではないにせよ、カップルの「生活の安心」に直結する支援策を打ち出しています。

▶ 品川区が公開している災害弔慰金に関するページ


https://www.city.shinagawa.tokyo.jp/contentshozon2025/pa-tona-sipputyouekinn.pdf

パートナーシップの利用状況とこれからの「利便性」

東京都では、2015年の渋谷区・世田谷区に始まったパートナーシップ制度が全国的にも注目される中で、さらに大きな広がりを見せています。2022年11月からスタートした「東京都パートナーシップ宣誓制度」は、2024年7月31日時点で約1,290組の利用実績があるほか、自治体独自制度の年間平均申請数と比べても約7倍もの申請数となっており、多くのカップルに選ばれていることがわかります。

これは、都の制度がオンライン申請等で手続き負担が少ない点や、発行される受理証明書が都と連携する自治体の施策でも活用できるなど利便性の高さが背景にあります。東京都の制度はすでに多くのカップルに利用されており、その利便性の高さが注目されています。 利便性の面でも、こうした足立区の住民票続柄表記変更の制度が広がることで、より当事者の暮らしに寄り添った形で利用できることが期待されます。

こうした制度がもたらすメリット

では、こうした住民票の続柄表記の見直しにはどんなメリットがあるのでしょうか?
(あくまでも一例です。)

  • ・日常生活での手続きがスムーズに

    住民票の続柄が「夫(未届)」「妻(未届)」など実際の関係に沿って記載されることで、病院での家族同意手続きや、福祉サービスの申請時にパートナーとの関係性を説明する必要が減ります。

  • ・災害や行政手続きでの生活上の安心

    災害時の弔慰金支給や公的手続きなど、法律婚の家族と同等の配慮を受けやすくなります。続柄が適切に記載されていることで、行政サービスの利用や支援の対象となる際の手続きも簡単になり、生活の安心につながります。

おわりに

今回、足立区が導入する制度は、当事者の生活の安心に直結する取り組みと言えます。
自治体によって制度の内容には違いがありますが、住民票の続柄欄の改善は、目に見える形での大きな一歩と言えそうです。
こうした先行例を受けて、今後さらに多くの自治体に広がり、人々の大切な「選択肢のひとつ」になっていけばと思います。



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