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2025年5月20日、同性カップルが法律上の結婚を認められないのは憲法違反だとして国に損害賠償を求めた「結婚の自由をすべての人に」東京第二次訴訟の控訴審(第3回口頭弁論)が、東京高等裁判所(東亜由美裁判長)で開かれ、結審した。
判決は11月28日に言い渡される予定だ。

本訴訟は、全国5カ所で提起された計6件の同性婚訴訟のひとつであり、東京第二次訴訟は最後の高裁判断となる。
これまでに言い渡された5つの高裁判決(札幌、東京、福岡、名古屋、大阪)ではすべて、同性婚を認めない現行法について「違憲」と判断している。

この日、8人の原告のうち福田理恵さん、藤井美由紀さん、ケイさんの3名が意見陳述を行い、日本でも平等に婚姻の権利が認められるよう、切実な思いを語った。

撮影者:mm
私たちは劣っていますか?

福田さんと藤井さんは2014年に出会い、長年パートナーとして共に生きてきた。
2023年、福田さんの出張中に2人はアメリカで法的に結婚。
しかし帰国後、日本ではその婚姻関係は一切認められていない。

福田さんが乳がんを患った際、藤井さんが看病にあたったが、病院では「家族」のみが付き添いを許されていたため、「いとこ」と嘘をつかなければならなかったという。

藤井さんは、裁判に原告として加わった後に母を亡くしたことを振り返り、こう語った。

「アメリカで法的に結婚した私たちの姿を母に見せてあげたかった。
本当は日本でも結婚できるようになった姿を見せて、安心させてあげたかった。
でも、その願いはもう叶いません」

そして、法廷で裁判官に向けて静かに問いかけた。

「裁判官、私たちは異性愛者より劣っていますか?
私たちは祝福を受けるにあたいしない人間に見えますか?」

藤井さんは、「特別な権利が欲しいわけではない。ただ、異性愛者と同じように、一人の人間として尊厳を持って生きていきたい」と訴えた。

存在をないものにされること

ケイさんは20年以上を共に過ごした同性パートナーと別れた経験を語った。
社会にカミングアウトしていなかったため、2人の関係を誰にも相談できず、結婚という選択肢がないなかで、関係を続ける未来を描けなかったという。

「結婚ができないことは、単なる不便さではありません。私たちの存在を、社会が公的に認めないということです」
「制度から排除されていることは、存在をないこととして扱われ続けることなのです」

さらにケイさんは、婚姻制度が持つ意味についても触れた。

「婚姻制度は、自らの人生を主体的に選び取る自由のために、選択肢として必要不可欠です。誰もが愛する人と共に生きることを夢見てよい、その夢を制度が支える社会であってほしい」

違憲判断相次ぐも、法改正は進まず

これまでに全国5つの高裁が、同性婚を認めない現行制度を憲法違反と判断している。
しかし、政府は「国会での議論や訴訟の動向を注視する」との立場を繰り返すにとどまり、具体的な法改正は進んでいない。

福田さんは、東京高裁にも違憲判断を期待するとしながら、次のように語った。

「これまでの5つの高裁と同じように違憲判決を出してほしい。
そしてさらに一歩踏み込んで、精神的被害に対する損害賠償も認める判断をしてほしい」

東京第二次訴訟の高裁判決は、2025年11月28日に言い渡される予定だ。
全国で相次ぐ違憲判決を受け、今後は最高裁による統一判断が注目されている。

大阪高裁は、同性カップル向けに別の婚姻制度を設けることについて「新たな差別を生む可能性がある」と指摘し、既存の法律婚制度をすべてのカップルが利用できるようにすべきとした。

異性愛者であれば当然のように受けられる権利を、同性愛者は声をあげ続けなければ手にできない。
そんな現状は、すでに社会の歪みを示していると言えるだろう。

社会の一員である誰かが不利益を受けている限り、それは安心して暮らせる社会とは言えない。
法の支えがなければ、私たちは無法の国に暮らしているのと変わらない。

制度から排除されて「存在が否定されている」と感じる人がいる限り、すべての人の尊厳が守られる社会が実現しているとは言えない。
法制化の実現は、もはや待つ段階ではない。

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