近年、米国の大手企業における「多様性、公平性、包括性（DEI）」プログラムに対して、さまざまな動きが見られる。
特に、ゲイ、レズビアン、バイセクシャルなどLGBTQほはじめ、多様なコミュニティの権利を守るための取り組みが、ドナルド・トランプ氏の大統領選当選により政治的な影響を受けていることが注目されている。
DEI後退｜米大手企業の異なる反応
アップルの取締役会は、DEIプログラムを維持することに強い意欲を示している。
この姿勢は、「全国公共政策研究センター（NCPPR）」が提案した、DEI方針の廃止要求に対する反対意見として表れている。アメリカの保守系団体であるNCPPRは、DEIの継続が「訴訟や財務上のリスクを招く」と主張していますが、アップルはすでに確立された順守プログラム（チェック・アンド・バランス）があるため、この提案は不要であると反論している。
一方で、Facebookを有するメタのCEO、マーク・ザッカーバーグ氏は、昨年の大統領選後、トランプ氏との関係改善を図っており、同社はトランプ氏の就任基金に100万ドル（約1億5700万円）の寄付を行い、共和党員を広報責任者として雇用するなどの施策を講じている。
さらには、メタのSNS（インスタグラムやフェイスブック）上において、ファクトチェック機能を廃止すると発表。
このような動きは、企業のトップが政治的な圧力にどのように対応するかという点で、人々の関心を集めている。
特に、ファクトチェック廃止による情報の安全性・信頼性の観点において、LGBTQコミュニティに対する影響が懸念される。
企業によるDEIの後退は、米国全体に置いて政治的な動向とも関連している。
ドナルド・トランプ氏が再び大統領に就任を機に、前述のようにメタやアマゾン、ウォルマート、マクドナルドといった大企業がDEIの取り組みを縮小。
保守派の諸団体による大手企業への主張は増し、メタCEOのザッカーバーグ氏のようなアクションを起こす企業トップも増えている。
今後、企業は多様性や包括性を企業文化や社会的責任の一部としてどのように維持し、成長させていくかという課題に直面していくだろう。
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