【同性パートナーシップ証明制度】大分県、徳島県、山口県、兵庫県、愛知県で開始|LGBTニュースならFlag(フラッグ)

2024年4月1日、全国各地の自治体で「パートナーシップ宣誓制度」や「ファミリーシップ制度」などが導入された。

「パートナーシップ宣誓制度」や「ファミリーシップ制度」 とは、ゲイやレズビアンなどセクシャルマイノリティのカップルが、各市町村から婚姻関係と同等であると証明を受ける制度である。

下記に、2024年4月に 「パートナーシップ宣誓制度」や「ファミリーシップ制度」 が導入された各地域を紹介する。

大分県 パートナーシップ宣誓制度

大分県が4月1日から「パートナーシップ宣誓制度」を導入した。
宣誓したカップルは公営住宅の入居や公立病院での面会、手術の同意といった様々な場面で家族として見なされることになる。

大分県では臼杵市、豊後大野市、竹田市、日田市、豊後高田市、大分市の6市が制度を導入済みであり、宇佐市、佐伯市、姫島村、由布市も4月から導入を予定している。

県は居住地で扱いに差が生じないよう調整し、県の受領証があれば、未導入の市町でも公営住宅の入居や犯罪被害者見舞金制度で家族として扱われるようにする見込みである。

佐藤知事は3月26日の定例記者会見で
「性的少数者の安心感の醸成、住まいや医療など生活上の困りごとの解消を図る。多様性に対する理解と共生社会の実現に向けて取り組むので、協力をお願したい。」と語った。

徳島県小松市 パートナーシップ宣誓制度が開始

2月に結婚式を挙げた同性カップルのお二人は、1日、徳島市にある県の施設を訪れ、県としては初めてのパートナーシップ宣誓書受領証(パートナーシップ証明書)を受け取った。

受け取った長坂航さんは「とてもうれしい。当事者の会を立ち上げてから5年かかったが、やっと皆さんの協力でこの日を迎えられた。県内の当事者が勇気づけられるし、喜んでもらえると思う。」と語った。

徳島県ではすでに導入済みの9つの市町に加え、1日から新たに小松島市でも制度が始まったが、県が導入したことにより、証明書を申請しやすい環境の整備や、県全体でのLGBTQへの理解が進むことが期待される。

山口市 パートナーシップ宣誓制度

山口市も1日から「パートナーシップ宣誓制度」を導入し、早速第1号となるカップルが市役所で宣誓を行なった。

宣誓したのは、戸籍上は女性同士の同性カップルで、2年ほど前から市内で一緒に暮らし、昨年6月に結婚式を挙げた。

宣誓書受領証(パートナーシップ証明書)を市職員から受け取り、支援者から花束も贈られたお二人は、笑顔を見せた。

あきらさん(仮名)は、「生まれ育った山口市でパートナーと一緒に宣誓でき、心からうれしい」と喜びを語りました。

山口市で宣誓を行なったカップルは市営住宅への入居の申込みができるようになり、暮らしの様々な場面での手続きが円滑に進むことが想定される。

法的な拘束力はないが、お二人は「すごく安心感がある」と話した。

うららさん(仮名)は「世間的に認められていない、パートナーとして見てもらえない」という思いがありましたが、パートナーシップ証明を受けられことで「ようやく少し楽になって前に進めたのかな」と語った。

あきらさんは宇部市など制度がある他の自治体に引っ越すことを考えたこともありましたが、「なんで自分が生まれ育った場所を捨てなきゃいけないんだろう、この地で闘い続けたいと思ったし、あきらめたくないと思ったし、『いつか山口市が』と、ずっとこの日を待ち望んでいました」と語った。

一方、「今も自分たちに法的なつながりはない。宣誓は第一歩で、いつか自由な結婚が認められてほしい」とも語りました。

「結婚は自由。みんなに平等なものだと思う。宣誓制度から進んでいって、皆さんの理解を頂いて、いつか法が改善されて、幸せなカップルが増えていけばうれしい。」

「いつか日本で同性婚が認められるんじゃないかということが自分の希望になりました。セクシャルマイノリティの人たちがいろんな思いをもって生きてきた。自分が第一歩と思っています。」

阿武町も1日、制度を始めた。宣誓を行ない、宣誓書受領証カード(パートナーシップ証明書)の交付を受けると、役場の窓口手続きでの委任状が不要になり、町営住宅入居の申し込みができるようになる。

山口県としては、9月から制度を導入する予定。

兵庫県 兵庫県パートナーシップ制度

兵庫県でも1日から『兵庫県パートナーシップ制度』が始まり、斎藤元彦知事が第1号となるカップルに「届出受理証明書」を交付した。

家族として県営住宅に入居することや、県立病院などで面会や診断内容の説明を一緒に受けたりすることができるようになる。

証明書を受け取った神戸市在住の女性同士の同性カップルは、
「手術の際、パートナーがサインをしたが『ほかに血縁の方は』と言われたことがある。その時は理解してもらえたが、将来のことを考えると不安が大きかった。証明書を通して安心感を受け取った。」

「自分の住んでいる自治体で、パートナーシップ制度をスタートしてくれるのは安心感が大きい。」

「ようやく二人の関係性をひとつ証明できるものができるというのは大きな喜び。」と語った。

斎藤知事は「県として、多様な立場の方々が安心して暮らせる環境づくりを目指すというメッセージを伝えたい。

引き続き、制度の普及と理解促進の取り組みを進めていきたい」と語った。

愛知県 ファミリーシップ宣誓制度

愛知県の「ファミリーシップ宣誓制度」が1日から始まった。

これにあわせて県は、犯罪被害者への支援金についても、制度の対象に加えた。

同制度は宣誓を行なったカップルやその子、親を家族として証明するもので、これまで一緒に入居できなかった県営住宅に入居できるようになるほか、県立病院での手術の同意なども認められる。

また、県は犯罪被害者への支援金についても制度の対象とすることを決め、要綱を改めた。

これにより、宣誓を行なえば法的な婚姻関係などがなくても親を失った際に子どもが支援金を受け取れるほか、遺族として見舞金を受け取ることもできる。

これは先日の最高裁判決を受けての措置で、そもそもは愛知県の公安が内山さんの申請を退けたところから始まっている裁判のため、内山さんと弁護団のみなさんの7年にわたる闘いのおかげで、このように愛知県が犯罪被害者への支援金の支給を制度に盛り込むまでになったことには感動を禁じえない。

県は、制度を利用した人が市町村の行政サービスも受けることができるよう、県内の自治体に協力を呼びかけている。

「Marriage For All Japan」の調べによると、4月1日から制度が始まった自治体は少なくとも42に上る。

都道府県としても愛知、奈良、兵庫、徳島、大分の5県で導入され、合計27のため、47都道府県の過半数に達した。

これにより、全国の導入自治体は440に達し、人口カバー率はもうすぐ85%に達する見込みである。

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