【山形県】同性パートナーシップ証明制度の導入
山形県は、2024円1月より「パートナーシップ宣誓制度」の導入について、県議会にて吉村知事より発表した。
本制度を宣誓し、宣誓受領証(パートナーシップ証明書)を交付されたゲイカップル、レズビアンカップルなど同性カップルは、県営住宅の入居、県立病院などパートナーが緊急入院した際の面会や手術などの同意が可能となる。
吉村知事は、「誰もが個性や能力を最大限発揮し、ひとりひとりが幸福を実感できる社会が実現できるようしっかりと取り組んでいく」と述べた。
県多様性・女性若者活躍課大滝亜樹課長は、「県立病院での面会も、これまでも各病院で柔軟に対応してきたが、その際、当事者はいろいろ説明が必要だった。今後は交付する宣誓書受領証というカード1枚で事務手続きが円滑にスムーズにできるようになる」と話した。
制度の導入に向け、県民や市町村にアンケートを実施し、県民の5割以上が、自治体では8割が制度導入に賛成した。
なお、「分からない」といった声もあったものの、反対の声はほとんどなかったという結果となった。
県の公式サイトでは、12月5日から19日まで本制度に関する意見を集め、議会での承認を経たうえで、24年1月に導入する方針である。
また、山形県では22年から山形市でプライドパレードが開催されており、23年は酒田市でも初開催されている。
山形県酒田市は、23年4月から「パートナーシップ宣誓制度」が導入されており、山形市のLGBTQ団体が市や県に対して要望を行なった。
現在、東北地方では、青森県と秋田県が「パートナーシップ宣誓制度」を導入しており、山形県は3例目となる。
【福島県伊達市】「パートナーシップ・ファミリーシップ宣誓制度」の導入
福島県伊達市は、24年1月4日より「伊達市パートナーシップ・ファミリーシップ宣誓制度」を導入すると発表している。
11月30日、須田博行市長は、改めて会見にて本制度導入について「一人ひとりが自分の色で輝ける社会をめざしている」「(性的少数者は)社会に一定程度いらっしゃる。(当事者から)要望がある無しに関わらず制度をつくり、周知し、多様な性に対する理解を深めていきたい」「誰もが暮らしやすい社会を願っている。今回の伊達市の取り組みが、各自治体にも広がっていけばありがたい」と述べた。
本制度を宣誓し、証明書の発行を受けたカップルは、市営住宅の入居などが認められ、「だて結婚新生活支援事業補助金」の対象にもなる。
補助金の対象になると、新居購入費や家賃、引越代などとして最大90万円を受け取ることができるため、本制度の対象となることは家計において重要と言える。
今後、本制度については、ホームページやガイドブック、広報紙等で市民へ周知し、市職員には本制度についての研修を行い、理解を深める見通しとなる。
市民からは早速、「とても前向きに考えてくれるようなので、とてもいいことだと思います」「少ない人のことを考えて伊達市でまず最初にやるというのは、すごいことだと思います」といったメッセージが寄せられており、市全体が前向きな姿勢であることが伺える。
【東北地方の状況】同性カップルに広がる選択
福島県内では、上記で述べた伊達市に続き、福島市は24年度中の導入に向けて準備を進めており、富岡町は23度中に導入する意向を表明している。
また、宮城県仙台市では、23年9月、24度中に導入することを表明しており、東北地方における本制度の導入の動きが加速している。
このように住む場所に限定されず同性カップルの暮らしや権利が尊重される動きは、今後とも日本国内において優先して取り組みべきである。
どのようなセクシャリティであれ、社会における選択の機会が平等であることが、豊かな社会といえるのではないだろうか。