名古屋地裁 「違憲判決」
2023年5月30日、名古屋地裁にて同性婚に関する判決が言い渡された。
現在、京都、香川、愛知3府県に住む3組6人の同性カップルにおいて、同性婚を認めない民法や戸籍法などの規定は憲法に反するとして、国会が同性婚を認める立法への努力を怠ったことによる精神的苦痛を受けたとして、1人100万円の損害賠償を国に求める裁判が、5地裁にて行われており、4か所目となる名古屋地裁にて「違憲判決」が言い渡された。
名古屋地方裁判所の西村修裁判長によると、同性カップルの結婚が認められていないことは、法の下の平等を定めた憲法14条および、個人の尊厳や両性の平等を定めた憲法24条2項に違反するという判断により、「違憲判決」を示た。
この判決に対し、国は賠償を求める訴えを退けたが、この名古屋地裁の判決は今後の日本社会の同性婚の法制化において確実に追い風の役割を果たしているだろう。
4判決のうち3判決が「違憲」
これまでの裁判では、札幌地裁は「違憲」、大阪地裁は「合憲」、東京地裁は「違憲状態」、と判決が分かれていた。
東京地裁は「違憲状態」の判決であったため、違憲判決に近い判決ではあったものの、決定的な違憲判決には及ばなかった。
この状況下において、今回の名古屋地裁の「違憲」は、東京地裁の「違憲状態」を含め3件目の「違憲」判決となり、残す5か所目の福岡地裁の判決に期待が高まるだろう。
この判決をきっかけに国会および日本社会での理解が促進され、婚姻の平等の実現のため同性婚の法制化がなされるよう、この裁判の行方を最後まで見届けたい。