同性婚、東京地裁判決日が迫る

同性婚を認めぬ規定

2022年11月30日、東京地方裁判所にて同性婚を認めぬ規定に対し判決が言い渡される。

2019年2月、同性婚を認めない民法や戸籍法の規定は憲法に反するとして、京都、香川、愛知3府県に住む3組6人の同性カップルが、国会が同性婚を認める立法を怠り精神的苦痛を受けたとして、1人100万円の損害賠償を国に求めた。

昨年3月、札幌地裁の判決は、法の下の平等を定めた憲法第14条より「違憲」としたが、今年6月、大阪地裁は「合憲」と判決した。

東京地裁の判断には、札幌地裁、大阪地裁に続き3例目の判決となり、これまでの各地裁で判決が分かれており、東京地裁の判断への関心が高まっている。

現在の日本の法律では、戸籍上の性別が同じ場合の婚姻届は受理されない。

民法や戸籍法にある「夫婦」という言葉が戸籍上の男性と女性のカップルであると定義されているため、男女の婚姻を前提とされている。

2019年2月以降、これらの法律は憲法第24条【家族生活における個人の尊厳と両性の平等】および第14条【法の下の平等、貴族制度の否認、栄典の限界】に違反するとし、国に損害賠償を求める訴訟を各地で行っている。

「結婚の自由をすべての人に」とスローガンを掲げ、札幌、東京、名古屋、大阪、福岡の5つの地裁・高裁で係争中であり、原告は計36人にのぼる。

訴訟内容は、結婚が認められないことに伴う慰謝料の請求であるが、原告が真に求めるのは「憲法違反」の司法判断である。

札幌地裁と大阪地裁 異なる判決

札幌地裁と大阪地裁ともに、同性婚を認めない民法や戸籍法の規定は、憲法第24条に違反せずと判断。

しかし、第14条においては見解が異なり、札幌地裁では同性カップルが相続権など「婚姻によって生じる法的効果の一部ですら」得られないのは差別的であり、第14条に反すると示した。

憲法第14条が判決の分かれ道となり、札幌地裁は「違憲」、大阪地裁は「合憲」と判決を言い渡した。

地裁判決日が迫る

札幌地裁、大阪地裁の異なる判決に続き3例目となる東京地裁の判決は、同性パートナーに限らず、一人一人の国民に影響を与える重要な判決となる。

「結婚の自由をすべての人に」と掲げられているスローガンのように、セクシャリティを問わず実現する社会を筆者は望む。

東京地裁の判決日が迫り、願いを込め判決が言い渡される時を待つ。

判決
日時:11月30日(水)14時
場所:東京地方裁判所 民事第16部
住所:東京都千代田区霞が関1-1-4

傍聴券交付
日時:11月30日(水)13時40分
場所:東京地方裁判所 1番交付所


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