ゲイやレズビアンなどの同性カップルを自治体が認証する「パートナーシップ制度」について、北区と荒川区が4月に導入する方針であることが分かった。
2015年に渋谷区と世田谷区が全国に先駆けて導入した後、制度は各地に広がっており、23区では2区が加わることで計10区に拡大する。
「自治体にパートナーシップ制度を求める会」によると、これまでに全国で少なくとも147自治体が導入しており、23区では渋谷、世田谷、中野、豊島、江戸川、港、文京、足立の各区にある。
多摩地区では、府中、小金井、国分寺、国立の4市で導入済み。2月には多摩市、4月には武蔵野市でもパートナーシップ制度が始まる。
<23区のパートナーシップ制度導入状況>
【制度あり=導入順】
2015年 渋谷、世田谷
2018年 中野
2019年 豊島、江戸川
2020年 港、文京
2021年 足立
2022年4月導入予定 北、荒川
【制度なし】
千代田、中央、新宿、台東、墨田、江東、品川、目黒、大田、杉並、板橋、練馬、葛飾
荒川区でのパートナーシップ制度実現の裏で
荒川区は、12日の区議会総務企画委員会で導入の方針が報告された。2020年12月に当事者団体「レインボー荒川の会」が制度を求めて区議会に意見を述べ、2021年4月に採択されていた。
ところが、東京都荒川区の区議が同性カップルらを区が公的に認証するパートナーシップ制度に反対し、「同性カップルには子供を産み次世代に引き継ぐ可能性は有りません」とツイッター上で発信し、波紋を広げている。同性カップルには、精子提供を受けて子供を産み育てているケースもあり、「多様な家族の実態を知った上で発言してほしい」との批判もある。
発信したのは、荒川区の小坂英二区議。区が2022年4月から同性パートナーシップ制度の導入を予定していることに反対しており、1月13日に「男女の結婚という『標準的な形』を保護し法制度に位置付けるというラインを踏み外してはなりません」ともツイートしている。
荒川区が4月から導入する意向の「同性パートナーシップ制度」は性善説に基づいて、事実かどうか不明なことを「受領証」という形で「実質的なお墨付き」を与え、不動産賃貸や病院の面会の際など様々な場で「男女の夫婦と同じように扱うべし」という「実質的な圧力」を加えるものです。
— 荒川区議 小坂英二 (@kosakaeiji) January 13, 2022
小坂区議のツイートには「私ゲイですが子供がおります」「同性カップルが結婚したり子供を育てたりしたところで男女の結婚に脅威があるとは思えません」などのリプライが寄せられており、Yahooニュースのコメント欄には一般社団法人fair代表理事の松岡宗嗣さんが以下のようにコメントしている。
まず同性カップルの中には”既に”子育てをしている人もいるので、区議の発言は事実誤認です。この区議は以前にも「同性愛は異常」と投稿していますが、2018年に問題になった杉田水脈議員の「生産性」発言と同様に、そもそも
「子どもを産むこと」によって人を「標準」「異常」と分けて排除することは差別的な考えです。批判に対して区議は「法制度の話をしていて、個人を誹謗中傷していない」と言い訳をしていますが、事実に基づかない『標準』をもって、誰かを排除することはひとつの暴力であり、その暴力を生み出しているのは、まさに既存の法制度かつ社会構造です。
残念ながら小坂区議のような、性的マイノリティを劣位に置き続けたい、平等な権利など与えたくないという立場の人は一定います。おそらく考え方は変わらないでしょう。だから”理解”を待つのではなく、こうした発言が問題だと指摘し続け、法制度を変える必要があります。
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