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10月20日、米動画配信大手Netflixの従業員と活動家がコメディ番組「デイヴ・シャペルのこれでお開き」に関する会社の対応に抗議し、ロサンゼルスの同社オフィスで職場放棄と抗議デモを実施した。

シャペル氏の特番の内容は、人権団体や活動家、契約する著名タレントの一部に加え、自社の従業員からも反発を買った。

Netflixの特別番組「デイヴ・シャペルのこれでお開き」の中で、コメディアンのシャペル氏がトランスジェンダーを嫌悪する発言をしているとして、社員が抗議の声を上げたことをきっかけに、Netflixはこの数週間、社内から前例のない反発の声が上がっている。

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番組について

「デイヴ・シャペルのこれでお開き」はNetflixで10月に配信スタートしたスタンダップコメディだ。

シャペル氏はショーのなかで、トランスジェンダー女性の容姿を馬鹿にしたり、「人は性別を変えられない」という趣旨の発言をしたJ.K.ローリング氏を擁護したりするなど、トランスジェンダーの人たちを侮辱する発言をしている。

番組が配信されると、トランスジェンダー当事者のNetflix従業員や人権団体が「発言は、トランスジェンダーの人たちの命を危険にさらす」と抗議した。

アメリカ黒人正義連合は、「アメリカでは2021年、トランスジェンダーの人たちがかつてないほど殺害されており、そのほとんどが黒人のトランスジェンダーです。Netflixは現状をもっとよく知るべきです。トランス嫌悪は暴力を生む」と述べ、配信中止を求めた。

しかし、Netflixのテッド・サランドス共同最高経営責任者は従業員宛のメールで「コンテンツが実際の危険に結びつくことはないと確信している」と述べ、配信継続を伝えた。

Netflixはたちまち人権団体や活動家、契約する著名タレントの一部に加え、自社の従業員からも反発を浴びた。

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抗議の内容

10月20日にNetflix従業員は会社に対する要求事項をまとめ、事実上のストライキを計画し、活動家はロサンゼルスの同社ビル前で抗議集会を開いた。

緊張が高まるなかで、従業員がCEOの社内文書と社外秘の財務情報をメディアに漏らした。これは前代未聞の反乱だ。

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従業員側は1週間前に番組の金銭的価値の見極めに関するウォール街にとって長く謎だった内部情報を漏らしていた。

米ブルームバーグ通信が伝え、フィナンシャル・タイムズ(FT)紙が確認を取った情報によると、Netflixは「デイヴ・シャペルのこれでお開き」の制作に2400万ドル(約27億円)を注ぎ込んだ。それよりはるかに多くの視聴者を引きつけた韓国ドラマ「イカゲーム」の制作費2200万ドルを上回る。15日、Netflixは内部資料をメディアに漏らした従業員を解雇したと発表した。

並外れた高給とクリエイティブ面での自由を約束してハリウッドのトップクラスの経営幹部や制作人材を引きつけてきたNetflixにとって、今回の反発はここしばらくなかった会社のイメージにかかわる。スタッフには報酬が前職の2倍、3倍、あるいは一夜にして数十万ドル増えた人もいる。

Netflix史上最高の人気番組となった「イカゲーム」のヒットが投資家に好感され、株価はこの2カ月で20%以上上昇した結果、7~9月期の契約純増数は予想を上回る440万人と倍増したため、この問題がNetflixの財務に響く可能性は薄い。

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サランドス氏の発言

10月13日に再び従業員に宛てた文書で、シャペル氏を擁護する考えは変わっていないことを示した。

「大人は他人に害を及ぼさずに暴力や襲撃、虐待の場面を見ること、あるいはショッキングなスタンダップ・コメディーを楽しむことができる」と同氏は述べた。
「一部の従業員は異なる意見だが、我々は画面の中で起きていることが実世界での害には直結しないと固く信じている」

10月19日の深夜、サランドス氏は社内コミュニケーションで「しくじった」と述べて非を認めようとしたが、シャペル氏の番組については擁護を続けた。

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NetflixはLGBTフレンドリーではないのか

Netflixオリジナル番組で人気な「クィア・アイ」は5人のクィアがメンタルヘルスから環境までも改革し、自信が出るように変身させる。

ゲイやノンバイナリーなどのLGBTQIA+(クィア)の目線(アイ)で出演者だけでなく視聴者をも元気づける番組だ。
同じ会社であるにも関わらず、ヘイトがあるのはフレンドリーなのかそうではないのか、疑問である。

Netflixだけでなく、メディアの力は大きいため、この発信に人々が惑わされないことを祈る。

参考記事:

・HUFFPOST
https://www.huffingtonpost.jp/entry/netflix-employees-walk-out_jp_6170b508e4b066de4f5db744

・日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB
215SP0R21C21A0000000/


みんながフレンドリーになりますように。

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