27日、米国務省は男性でも女性でもない「X」の性別表記のパスポートを初めて発行したと発表。
国務省は今年6月に手続きを改訂し、パスポートに記載する性別を申請者が自分で選べるようにすると発表。性別に「X」を選択できる制度はパスポートに加え、海外在住の米国民に発行する出生証明書にも適用される。申請者が選択した性別が、他の身分証明書に記載された性別と異なる場合でも、診断書の提出は求めないとした。
パスポートの性別Xは、自分の性別が男性にも女性にも当てはまらないと認識する人などが選択できる。国務省は声明の中で、「LGBTQI+の人を含め、全ての人の自由と尊厳、平等を推進する」と強調した。
2022年初めにシステムと様式の更新が完了すれば、通常のパスポート申請手続きで性別のXが選択できるようになる。
トランスジェンダーの人権活動家は以前から、不正確な身分証明書はLGBTQに対する嫌がらせや差別につながる可能性があると訴えていた。
国務省は26日の「インターセックス啓発デー(Intersex Awareness Day)」に合わせ、「性別や性的指向、性別自認や表現、性的特徴に基づく暴力と差別」を終わらせるのが、米国の政策だと述べていた。
同様のジェンダーインクルーシブパスポートは、カナダやオーストラリア、ニュージーランドなどでも発行されており、今回の米国を合わせて世界14ヵ国で承認されている。
以下はその他の国の例である。
ニュージーランド:ニュージーランドは2012年にオーストラリアの先導に従い、ノンバイナリーおよびトランスジェンダーの人々が簡単な手続きでパスポートの性別を変更できると発表した。パスポートのオプションには、男性、女性、およびX(不確定/不特定)が含まれる。
インド:インドは2005年以来、ある程度第三の性別を認めているが、インド最高裁判所は2014年4月にパスポートの第三の性別カテゴリを正式に認めた。インドでは、トランスジェンダー、インターセックス、ヒジュラ(南アジアにおける第三の性)の個人が男性、女性、または第三の性別に限らず自分の性別のアイデンティティに一致するパスポートを取得できるようになった。
マルタ:マルタは歴史的な性同一性、性表現、性別特性法案を可決し、おそらく世界で最も広範な保護をトランスジェンダーおよびインターセックスの人々に提供している。パスポートなどの公式文書に記載されている、治療を受ける必要のない性同一性、また、パスポート申請者向けの「X」(第三の性別または州への辞退)の選択も含まれている。
米国では少なくとも20州と首都ワシントンが、州発行の身分証明書などで同様の変更を行っている。
参考記事:
・CNN
https://www.cnn.co.jp/usa/35178679.html
・enei
https://www.enei.org.uk/resources/news/gender-x-passports/
・PRIDE JAPAN
https://www.outjapan.co.jp/pride_japan/news/2021/10/18.html
自分らしく過ごせる制度になることを祈る。