9月、イギリスで、日本人のKanさん(29)と、パートナーのTomさん(27)が結婚式を挙げた。
2019年に配信された『クィア・アイ in Japan!』に出演し、性的マイノリティ当事者としてSNSなどでの発信を続ける日本在住のKanさん。
新生活を「ものすごく楽しみ」と語る一方で、「日本で結婚する選択肢がなかったことは、悔しい気持ちが大きい」とも明かす。パートナーのTomさんも、選択肢があれば日本での生活を望んでいたという。
そんなKanさんだが、“男女”でしか区別されない学校生活に馴染めず、不登校の時期もあったそうだ。
Kanさん:「体育の授業に出られない理由が、着替えるのが怖いとか、ジェンダーの現れる場所で、不安になることが多かった。何に自分が違和感とか不快感とか、恐怖を感じているかわからなかった。だからこそ怖かった」
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最愛のパートナーとなるTomさんと5年前から付き合いはじめたのはKanさんのイギリス留学がきっかけ。
帰国後、2人はお互いの国を行き来しながら交際を続け、結婚を考え始めたが、日本では今も同性婚は認められていない。
「日本で結婚したい」。同性婚が認められるように、2人はSNSなどで声を上げ続けてきた。
そんななか、新型コロナウイルスの感染拡大により、イギリスから日本への入国は“家族”に限られてしまう。家族ではないTomさんとは、1年半以上、会うことができなくなってしまった。
Kanさん:「国際結婚できている“異性カップル”なら何とか行き来はできる。でも僕たちは絶対にできない。必然的に日本で結婚できない状況なので、イギリスで結婚しようと判断した」
Kanさん:「パートナーと会えるのはうれしいけど、友だちとお別れしないといけないのは悲しいし、自分の人生の決断のなかに、選択肢がないのは、どうしてもおかしい。それは僕だけではなくて、日本に残されている人たちもいて、その人たちも同じ気持ちでいるし、こうやって密着していただいて、お伝えをしないと届かない。何でだろうな」
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家族、友人、仕事と、すべてと別れ、降り立ったロンドン。待ち焦がれていた、Tomさんとの新生活。
デートをしていて感じる“日本との違い”について、Kanさんはこう話した。
Kanさん:「僕たちが手をつないでいようが、何してようが、あんまりみんな関係ない。気にしない印象はある。イギリスのほうが、トムちゃんと外出して歩きやすい。手をつなごうと思えば簡単につなげるような環境」
Kanさん:「同性、異性、愛し合っている2人。でも、それが認められるかどうかって、その国とか制度によって決まる。国を出ないと、自分が好きな人と結婚できないような状況にあるのは、変わるべきだと思っている」
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イギリスに渡って2カ月。結婚式当日を迎え、イギリスで初めて、KanさんとTomさんは、家族になることができた。ただ、2人にとって、これはゴールではない。
Tomさん:「結婚することができて、とても幸せ。でも、日本では、同性婚が全面的には認められていない。いつか日本でも結婚式を挙げたい」
Kanさん:「これからも、僕たちだったり、日本で結婚したい人たちが日本で結婚できるように、その選択肢が得られるように、一緒に声を上げていけたらいいな」All Nippon NewsNetwork(ANN)
ニュースに寄せられたコメントから読み解く
Yahooニュース(ANN)には、数々のコメントがあるが、様々な人の考えと捉え、見解を示していきたい。
>生まれ育った日本を離れるしか選択肢はありませんでした。
違和感。そもそもLGBT関係なく国際結婚を選んだならばどちらかが母国を離れるのは当たり前。
もし日本で生活したければ相手が地元を離れる選択肢しかないw同性婚がどうとか関係ない。
なんか悲劇のヒロインという感じで訴えてたけど、この2人は国際結婚の上、出会いも生活基盤もイギリスだった。
おそらく2人の会話は英語で、相手は日本語話せないのでは?
それなのになぜ結婚だけは日本でしたかったの??
イギリスは自由?そう?
ロンドンでつい何年か前にレズカップルが見知らぬ少年らにボコボコにされた事件あったじゃん。
いつの世の中でも、選択肢は限られたものです。気持ちはわからないでもないけど、受け入れられない人たちがいることは理解してほしい。選択肢がないがために海外に行くことは、同性婚だけではないと思います。選択肢があるだけ幸せなこと。ロンドンでお住いになるなら、日本の結婚制度を利用することはないでしょう。親や友と別れて暮らすことも選択肢です。自分は、仕事のため、親と旧友から離れて暮らしています。それも選択です。
「選択肢」についての意見が上記に限らず多かった。
結婚そのものについてや、国際結婚でどちらの国に行くかなど。
確かに、国際結婚を選ぶまたは出身や居住地が遠いパートナーの地で住むとなると、どちらかはその土地を離れなくてはいけない。
しかし、Kanさんが言いたい論点は「日本で結婚する選択肢」がないことである。
コメントの多くは論点がずれているか、1つの言葉のみを切り取って言及しているものである。
同性婚ができない国同士のパートナーであれば「結婚」という選択肢も無いため、この部分にも『選択肢があるだけ良い』とのコメントがあった。
少し言い方がキツイコメントが多いが、別の視点で物事を考える良い機会になると考えたい。
そして、婚姻制度や家族のカタチ、ジェンダーやセクシュアリティについて言葉の刃が向けられない社会を目指したい。
参考記事
・HuffPost
https://www.huffingtonpost.jp/entry/
story_jp_60cc5623e4b01af0c26ec2b5
・Yahooニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/f87563c6
c4b47a31f9b0ecb0250dffa357b17b38
前向きな考えが増えますように。