8月6日、証券取引所を運営する米ナスダックは、上場企業に対して取締役の多様性を求める規則が米証券取引委員会(SEC)に承認された、と発表した。
2人のうち1人は女性で、もう1人は少数派の人種や民族、あるいは幅広い意味でのLGBT(性的少数者)でなくてはならない。この基準を満たさない企業はその理由を説明する必要がある。
昨年12月、ナスダックが、規則案を米証券取引委員会(SEC)に提出していた。
移行期間を経て順次、上場する企業に適用され、AP通信によると対象は約3千社だそうだ。
こうした規則は、米国の証券取引所で初めてとみられる。
企業は毎年、取締役の多様性について株主総会の資料や自社のウェブサイトなどで開示することになる。規模の小さい企業や外国企業には、女性2人で良いなど緩やかな規則が適用される。
ナスダックは規則について、「義務ではなく、厳しい目標を設定するものでもない」としたうえで、従わない場合にも「ナスダックは企業が説明したことを確認するが、説明の優劣は評価しない」としている。
規則を定めることのメリットとデメリット
このような基準を設けることで、多種多様な考えが企業やビジネスにおいてできるようになる、との考えがある。また、「男性の方が取締役になりやすい」というアンコンシャス・バイアスからも抜け出せるのではないかと思う。
もちろん、「女性だから」「LGBTだから」という理由で特別な才能があるわけではなく、違ったルーツや視点で物事を見ることができる可能性が広がるのだ。
さらに、役員や取締役に様々な人がいることが、より多くの社員の活力になり、熱意を持って仕事ができるのではないだろうか。
だが、それと同時にカミングアウトをしなければならないことはストレスにもなり得る。
「女性だから」「LGBTだから」役員や取締役に選考されたのではないかとバッシングを受ける可能性もある。
様々なことを想定しつつ、多くの人が仕事を楽しめるような世界になることを切に願う。
参考文献
朝日新聞デジタル
https://www.asahi.com/articles/
ASP8730SDP87ULFA003.html
どんな人も活躍できる社会になりますように