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プライド月間

毎年6月はプライド月間。
7月になってから約1週間が経ち、プライド月間を振り返ってみた。

今回のプライド月間を機にカミングアウトをした方、結婚を発表した方、そして年々大きくなる企業の動き。

こうした1つ1つの「きっかけ」が1人の命を救うかもしれない。

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6月がプライド月間である理由

そもそも、なぜ6月がプライド月間であるのか。
その理由を辿れば、今後の動向も分かり得るかもしれない。

ーーストーンウォールの反乱
1969年6月28日未明。
警官がニューヨークのゲイバー、ストーンウォール・インに踏み込んでいた。ストーンウォール・インは酒類販売免許を持っておらず、酒類販売管理法違反の捜査という名目で、店員だけでなく客の性的少数者たちも店の外に連れ出され、最後に店から連れ出された客がこう叫んだ。

「お前ら、なにかしろよ(Why don’t you guys do something?)」。

その声に呼応し、いっせいに警官に反撃をくわえはじめる。
その暴動は3日間続いた。
これが「ストーンウォールの反乱」と呼ばれるできごとである。

このストーンウォールの反乱を記念して、今では6月はPride Month(プライド月間)と銘打たれ、毎年世界の各地で性の多様性に関する多くのイベントやキャンペーンがおこなわれるようになった。

……ということではあるが、この「ストーンウォールの反乱」の背景や、関わる事象の方が実は重要になる。

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たとえば、なぜこの年の6月28日にストーンウォールの反乱が起こったのかについてよくあるのは、ジュディ・ガーランドの葬式が引き金となったという説がある。現場となったバー、ストーンウォール・インの近くの教会でその前日ジュディの葬式がとり行われ、参列した者にはそのままバーに足を運んだ者もいた。その晩から翌朝早くにかけて酒を飲みながらジュディの死を悼んでいたところに、警察官が踏み込んで心ない言葉を発したのでゲイの人々が怒ったというものだが、この「神話」を証拠立てるものはどこにもない。

たしかに、ジュディは当時のゲイにとってのディーバではあった。しかし、それはあくまで白人中産階級のゲイにとってのものであり、警官に抵抗した人々のうち多数を占める貧困層の性的少数者は、その晩にジュディのことなど考えもしなかった、という話もある。

当時、同性間性交渉を禁止する法律(通称:ソドミー法)があったことで縛りが強かったこと
市議選の候補者がゲイバーをなくそうと恣意的に規制をしていたこと
などの背景もある。

ストーンウォールの反乱はたしかにゲイ解放運動のきっかけのひとつだが、この反乱に多くのトランスジェンダーがくわわっていたことも明らかになっている。さまざまな性的少数者による反乱を「ゲイの手柄」にしてしまう歴史解釈には、トランスジェンダーから多くの批判が寄せられた。そもそも、「お前ら、なにかしろよ」と叫んだのは、有色人種のブッチ(男性的な身なりやふるまいの)レズビアンである。白人中産階級のゲイによる手柄の独り占めを覆すことこそ、ストーンウォールの反乱をめぐる歴史解釈の主題だったのだ。

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まずもって爆発的な社会運動は突発的には起こらない。
きっかけには原因があり、原因にもきっかけがある。

様々な人種差別と、社会情勢における人々のメンタルヘルス状態が入り交じり、反乱が起きたのだ。
大きな事象のみが原因ではなく、ミクロな部分が引き金になっている。

最後に

日本は排他的な部分があり、アメリカでは自由に、開放的に過ごせると思っている人も多いが、実際はそうでもない。
歴史を紐解くと、アメリカでは法で差別され、恣意的に逮捕され、国から排他的であった。
比較的自由な人が多いニューヨークで、コミュニティを作り、強く生きていたのだ。

 

「今」起きていることの
「起源」をさかのぼり
「きっかけ」を歴史、情勢、その頃起きていたことを総合して多角的に見ることが重要であると私は思う。

 

しかし、プライド月間の起源が
白人中産階級のゲイによる手柄の独り占めだったとしても
ジュディ・ガーランドを悼んでいなかったとしても
心無い言葉を叫んだのが別の人だったとしても

2021年6月にレインボーフラッグを掲げ、プライド月間を行ったことに変わりはない。

これからも昔と今と未来を見ながらアップデートし続け、ジェンダー、セクシュアリティに関わらず、誰もが自由に生きられる世界を目指していきたい。

 

【引用・参考文献】
ジュディ・ガーランドはなぜゲイの人々から支持され、ゲイ・カルチャーのアイコンになったのか?
https://www.udiscovermusic.jp/columns/why-lgbtq-loves-judy-garland
なぜ6月は「プライド月間」と呼ばれるのか?──LGBTQ+を読みとく vol.1
https://www.gqjapan.jp/culture/article/20200609-pride-month-2020-1

 

 

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