LGBTとオリンピック

オリンピック開催まで約1か月。

ダイバーシティ&インクルージョンが必要とされ、変化が急速な社会で、伝統的なオリンピックも変わり続けている。

それは仕組み、ルール、選手、観客、主催者、自治体、企業などありとあらゆるステークホルダーも同様である。

ミソジニー(女性蔑視)や、BLM、アジア人差別、マスメディアの対応、そしてLGBTQ+
多くのニュースが飛び交っており、見解も人それぞれである。

この記事では様々な記事と様々な意見をもとにFlag独自の見解を
ジェンダーとセクシュアリティ、主にLGBTについて述べていきたい。

ジェンダーとセクシュアリティ

オリンピックに限らず、スポーツは男女で分かれている。
それは男女差別ではなく、「公平な競争」をするためのものである。

歴史としては、1900年にフランス・パリで開催された第2回オリンピックから女性の種目が始まった。
それまでは男性のみの参加であった。

理由は諸説あるが「スポーツ=女性らしくない」の概念があり、
第2回以降も長らく男性のみで構成されていたIOC(国際オリンピック委員会)が「女性らしい」と認めた種目のみ女性の出場が認められていた。

回を重ねるごとに女性種目は多くなり、女性参加割合は2020年(2021年)東京大会では48.8%となる見通しである。

では、LGBTQ+の視点ではどうだろうか。

ジェンダー

ジェンダーとは性自認のことであり、
「シスジェンダー」とは生まれつきの性と性自認が同じ人
「トランスジェンダー」は生まれつきの性と別の性を自認する人である。

トランスジェンダーあるいは生まれつき生物学的な性別が非典型な性分化疾患の選手は、男/女のカテゴリーに当てはまらないとして、以前は排除されていたが、多様性を重視する観点から規定が変更されてきた。

ニュージーランド重量挙げのローレル・ハバード選手がオリンピック代表に選出されたことが新しいニュースとしてある。

批判意見理由としては以下が挙げられる。
・2013年に性別を移行する前は、男子の重量挙げ競技に出場していたこと
・男性として第二次性徴期(※1)を過ごした人は、骨密度や筋肉量が女性より高くなるなど、生物学的に有利であること

しかし、ハバード選手が女性として出場できる要件は満たしている。

トランスジェンダー選手へのガイドラインは以下定められている。

女性から男性へ性転換した場合には手術は必要なし。
男性から女性へ性転換した場合は”must demonstrate that their total testosterone level in serum has been below 10nmol/L for at least 12 months prior to competition.”「大会前の12ヶ月以上前から血清テストステロン(男性ホルモンの1つ)値が10 nmol/L以下である必要がある」とあります。さらに、テストステロン値は定期的に計測され、選手は「自分は女性であり、スポーツのために最低でも4年は(再)性転換することはない」と宣言する必要があります。

テストステロン(※2)値だけで判断してしまうことも、ハバード選手のように選手としての練習環境が異なるために他の選手が不利になる可能性もある。

だが、体質によってはシスジェンダーの女性でも平均値よりテストステロン値が高いこともあるため、下げなければ不利になるのではないか、との意見もある。

 

※1 第二次性徴期:思春期。男子では、精巣が大きくなることから始まり、陰茎増大、陰毛発生と進んでいく。女子では、乳房の発達から始まり、陰毛発生、初経と進んでいく。多くの因子によってコントロールされているが、最終的には、下垂体から分泌されるゴナドトロピン(性腺刺激ホルモン)と性腺から分泌される性ホルモンが上昇してからだが成長する。

※2 テストステロン:男性ホルモン(アンドロゲン)の1つ。

セクシュアリティ

セクシュアリティとは性的指向のことであり、ここではLGB(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル)について述べる。

カミングアウトをした選手は多くはなってきたが、国内現役アスリートではサッカーの下山田選手が唯一オープンにしている。

サポーターやスポンサーからの評価を気にし、オープンにできない。
また、更衣室や練習の中でチームメイトが気にしてしまうのではないかと懸念。

そのため、引退をしてからオープンにする選手の方が世界的に多い。

マスメディアの取材では「性別のらしさ」を求められる。
ステレオタイプなポーズを要求されたり、スポーツ以外の異性愛の話題が振られ、窮屈な思いをしている。

他の国ではオープンにしている選手も多く、オリンピックはセクシュアリティを話せたり、セクシュアリティを世間に浸透させるきっかけになると私は思う。

セクシュアリティが同性であることが、選手として力を発揮できない足かせになってはいけない。

最後に

スポーツを通して、体と心をきたえよう、世界のいろんな国の人と交流しよう、そして平和な社会を築いていこう。

これがオリンピズムである。

オリンピズムとはオリンピックを行う目的であり、古代のオリンピアを復活させようとしたオリンピック創設者ピエール・ド・クーベルタン男爵の考えである。

本当の意味でオリンピズムが達成される世界を目指したい。

 

 

【参考記事】
●内閣府男女共同参画局
https://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepape
r/h30/zentai/html/honpen/b1_s00_01.html

●PRIDE JAPAN
https://www.outjapan.co.jp/pride_japan/news/2017
/01/3.html?searched=%E3%82%AA%E3
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●あだち小児科クリニック
https://adachi-shounika.com/?page_id=402
●Fitness in Life
http://fitnessinlife.com/olympic_transgender/
●BBC NEWS JAPAN
https://www.bbc.com/japanese/57550038
●日本オリンピック委員会
https://www.joc.or.jp/olympism/education
/20080801.html


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