オーストラリアで同性婚合法化!日本への影響は?

 

昨年12月7日、オーストラリア連邦議会の下院で同性婚関連法案が可決され、正式に同性婚が合法化された。ここ数年で同性婚可能な国が次々と増えている、というイメージがあるが、世界の同性婚の状況や日本への影響を考えてみよう。

 

郵送式の国民投票で61%が賛成

 

オーストラリアでは同性婚に賛成の立場をとっていたターンブル首相が主導して、同性婚の是非を問う国民投票を2017年9月12日から実施した。

11月15日に結果が発表され、賛成は61.6%、反対は38.4%と、賛成側が勝利。この国民投票に法的拘束力はないが、民意を法律に反映するため、同性婚の合法化に向けた法改正案が提出されることになった。

そして12月8日に結婚法の改正案が連邦議会の下院で可決され、正式に同性婚が合法化された。

同性婚を認める国のGDPが世界の過半数に

 

『NPO法人EM日本』の調査によると、同性婚や同性パートナーシップの制度をもつ国・地域の人口は世界の約17%。そしてGDPでみると、同性婚や同性パートナーシップの制度をもつ国・地域のGDPは世界の約58%を占めているという。

人口よりもGDPでみたほうが多くの割合を占めているということは、豊かな国ほど同性婚を認めている傾向にあるということだ。

経済的には世界でも有数の豊かな国であるはずの日本においては、まだまだ国政レベルで同性婚の議論が盛り上がっているとはいいがたい状況にある。

同性婚はもともとヨーロッパ各国で盛んに議論されていたが、日本を含むアジア各国ではなかなか話題になってこなかった。

しかし台湾では2019年5月までに同性婚を導入予定、タイやベトナムでも国会で同性婚法案が審議されており、当初はヨーロッパを中心に認められてきた同性婚は世界に広がりつつある。オーストラリアのように同性婚を認める国が増えれば増えるほど、日本での議論も盛んになっていくことが期待できるだろう。

日本で同性婚が認められるには?

 

日本では結婚に関する法律は民法だが、憲法にも婚姻に関する条文があり、同性婚を合法化するためのハードルがより高くなってしまっている。

憲法第二十四条には「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。」とある。この「両性」「夫婦」というのは男女のことを指すため、同性婚は憲法上認められないというのが現在の通説となっている。

ただし憲法第二十四条はあくまで従来の「家」を中心とした家族制度を改めるものであり、同性婚を禁止した条文ではない、という解釈もある。

裁判所で憲法第二十四条が同性婚を禁止しているのかを実際に争った事例はないため、同性婚が憲法違反なのかどうかは不明というのが現在の状況といえるだろう。もし日本で同性婚を合法化するには憲法改正が必要だとすると、憲法改正のためには国会議員の3分の2以上の賛成と、国民投票で過半数の賛成が必要となるため、同性婚の合法化までのハードルはかなり高いといえる。

外国で同性婚が広がれば日本の法律に影響する可能性も!

 

現在の日本の法律(民法)では、同性婚は認められていない。しかし法律というのは時代の移り変わりと共に変化していくものであり、婚姻や家族に関する制度も例外ではない。

例えば、かつての日本の民法では非嫡出子(法律上の結婚をしていない夫婦間に生まれた子ども)は遺産相続において、嫡出子(結婚している夫婦間に生まれた子ども)よりも不利に扱われていた。しかし最高裁判所は「社会の動向、我が国における家族形態の多様化やこれに伴う国民の意識の変化、諸外国の立法のすう勢」などを考慮して、非嫡出子に対する差別的な扱いは違憲であると判断した。

この最高裁判所の判断基準の中で、「諸外国の立法のすう勢」という言葉が使われているのも大きなポイントだ。もし世界的に同性婚を認めるのが当たり前になったら、日本での同性婚の合法化も後押しされる可能性があるということを示唆している。

オーストラリアで同性婚が合法化されたというニュースを見ても、日本とは別の世界の出来事としか思わない人は多い。しかし同性婚を認める国が増えるほど日本でも同性婚が認められる可能性が高まると考えると、オーストラリアの同性婚合法化は日本のLGBTにとっても明るいニュースといえるだろう。

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