明治大学・中村和恵氏、『同性カップルの養子には、物語を読ませること』

朝日新聞社会部の杉山麻里子氏の著書が、日本の同性カップルの養子縁組の現状について書いている。

この著書「ルポ 同性カップルの子どもたち アメリカ『ゲイビーブーム』を追う」について、明治大学教授・中村和恵氏の書評を紹介したい。

今アメリカは空前の「ゲイビー」(同性カップルの子ども)ブームらしい。
ゲイビーを描くTVドラマも増え、ここ10年で子育てする同性カップルは倍増。
昨年、全米で同性婚を合法と認める判決が出た。
差別に抗(あらが)い訴訟や抗議を重ねて勝ち取られた同性婚の歴史は、家族としての権利獲得の道のりでもあったのだ。(朝日新聞デジタル 2016年4月24日)

中村氏は、日本と比較して、アメリカの同性カップルの養子縁組は、よくあることだと紹介。
その中で、養子の子供に、事実(同性カップルの子どもであること)を伝えるためには、工夫が必要だと指摘している。

子どもに事実を肯定的に伝えるには、似た状況の家族を描いた絵本などが有効という。物語こそ人間が自分と世界の折り合いをつける最古にして最良の方法、まさに必要不可欠ね。

最近では、日本でのゲイ男性向けの代理出産セミナーについて、賛否の渦が起こった。このように、日本においても、同性カップルの子どもに関する議論が、深まっていくことを期待したい。

※画像は、Amazon.comより

サム: LGBTのアライ(支援者)として、Flag編集部で記事執筆。前職において、様々な分野の企業・個人プロフェッショナルの広報業務(メディア露出)を支援。その経験を活かし、LGBTというテーマを、政治、経済、国際情勢、人文科学などの様々な切り口で考察、広報していきたいと考え、日々奮闘中。