XG COCONA、ノンバイナリー/トランスマスキュリンを公表


2025年12月6日、HIPHOP/R&Bグループ「XG」(読み:エックスジー)のメンバー・COCONA(ココナ)さんが、自身の性自認がノンバイナリーかつトランスマスキュリンであることを公表しました。

※2025年12月時点の情報です。

▶ 実際の投稿 (情報元)



「XG」は日本人7人で結成されたグループで、デビュー以来、日本のみならずグローバルに活動の場を広げてきました。楽曲やパフォーマンスが評価され、世界的にも注目を集める存在となっています。

COCONAさんは、20歳という節目を迎えるにあたり、これまで心の奥にあった想いを少し話したい、という言葉を導入に添え、コメントを投稿。投稿のなかで、COCONAさんは、自身の性別について「I am AFAB transmasculine non-binary」であると表現しています。

「AFAB」「トランスマスキュリン」とは

この「AFAB」とは、「Assigned Female At Birth」の略で、出生時に割り当てられた性別が女性であることを指します。
しかし、この「性別」が、その人の性自認そのものを表しているわけではありません。

一方、トランスマスキュリンとは、出生時に割り当てられた性別とは異なる性別へ移行するトランスジェンダーの一種で、男性的な傾向を持つ性自認を指します。
COCONAさんは、今回発表したコメントの中で、性自認が従来の「男性」または「女性」という二つに限定された性別の枠組みに完全に当てはまらないことを示しました。

ノンバイナリーとは?

COCONAさんが公表したノンバイナリーとは、一般的に「男性」または「女性」という二つの性別のどちらかに完全には当てはまらない、またはその枠組みで自分を定義しない性自認のことを指します。

この性自認とは、身体的な特徴や出生時に割り当てられた性別とは必ずしも一致しない、個人が自分自身をどの性別として認識しているか、どんな性別として認識しているか、という内面的な感覚です。その自己認識は非常に多様であり、男性でも女性でもないと感じる、もしくはその両方、あるいはその間のどこかに位置づけられると感じるなど、幅広いあり方があります。

ノンバイナリーは一つの固定された定義があるわけでなく、個人によってその認識や表現の仕方が異なる、多様性のあるアイデンティティです。そのため、ノンバイナリーを名乗る人の服装や振る舞いなどをはじめとした外的要素、性別適合手術などの身体の変化を望むかどうか、そうした判断基準や度合いは人それぞれ異なるのです。

COCONAさんが明かした「自分自身を受け入れて認めること」の苦悩と成長

コメントの中でCOCONAさんは、「生まれたときは女性として扱われましたが、自分では女性だとは思っていません」「“女性”として見られることには強い違和感があり、自分はもっと男性的な存在として生きています」と、自分自身の認識について説明しています。

そして、こうした自身のアイデンティティについて「今までの私の人生でいちばん難しかったことは、“自分自身を受け入れて認めること”でした」とし、これまでの苦悩を素直に明かしました。

こうした葛藤を経て「ほんの少しでも自分を受け入れ、0.1歩でも前に進めた今、新しい扉を開けることができました」といいます。

さらに、その新しい扉を開けたことで「視野が広がり、物事の見え方や捉え方が変わり、自分に大きな心の成長と勇気を与えてくれました」と述べ、自身の心の変化についても触れました。「今では、『自分の中にあるものは、ダメなものじゃないんだ』と思えるようになりました」と、自身の心情を語っています。

音楽業界からの反応

今回のCOCONAさんの公表を受け、音楽業界からも支持を表明する声が上がっています。

XGが所属する「XGALX」のCEOであり、エグゼクティブプロデューサーでもあるJAKOPS(SIMON)氏は、COCONAさんの発表について、「心からの感動と尊敬の気持ちでいっぱいです」とし、
「私はこれからも一人ひとりが“活動するアーティスト”としてだけではなく、一人の人間として心から尊重され、自分の人生を愛せるように誠実なサポートを続けていきます」とコメントを発表しました。

また、K-POPアイドルとして活躍しており、LGBTQコミュニティの一員であることを公表したJUST Bのベインさんも、「あなたの勇気と率直さに深く感動しました。偽りなく生きていくあなたを誇りに思います。あなたを常に支持します」と、COCONAさんを支持するメッセージをXGのSNSに寄せました。

さらに、同じくグローバルに活躍する6人組グループ・KATSEYEのメンバーたちも、投稿へのコメントや「いいね」、スタンプを通じて支持を表明しました。
KATSEYEは、メンバーであるララさんが同性愛者であることを、またメーガンさんがバイセクシュアルであることを公表しています。




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