日本企業の多くがまだ認知の段階までも達していない「LGBT」。 職場では今も差別的な言動が続いている。 そんな職場環境の中でストレスを抱え、仕事の生産性を落とす当事者は数えきれない。現在の職場環境の「リアル」をまとめた。
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01.職場の実態
以下は実際に職場で語られた言動である。
「同性と付き合っていることを非難され、〈仕事をやめて欲しい〉と言われた。〈20代〉」。
「小学校の職員室で、ベテラン教師がおとなしい男子児童に対し〈おかまじゃないか。将来が心配〉と話していた。〈20代〉」。
「女性として勤務しているが、伸ばしている髪を切れと言われた。管理職から〈男に戻ってはどうか〉と言われた。〈40代〉」。
「勤め先に性同一性障害と思われるお客が来店した際、店長が陰で〈ああいう女が一番嫌い〉と言っていた。〈20代〉」。
出典:東京新聞2015年11月12日朝刊(第8面)
02.職場でのストレスをためるLGBT
職場の実態を見て分かっていただけたと思うが 、あまりにもストレートな発言に唖然としてしまう。 しかしこれが現在の実態であろう。
その当事者がどんなにその会社が好きだったとしても、このような職場環境では働き続けることはできない。 毎日のストレスでうつ病になったり、睡眠障害を引き起こしたりする人もいるのだ。(出典:同)
03.職場環境のレベルの低さ
言うまでもないが、こんな環境では仕事に集中などできたものではない。
そして一緒に働いている社員はどう思うか。 上司がLGBTに対して差別的な言動をすればそのモラルの無さにうんざりするだろう。 働く士気も低下するし、そんな組織にいることを恥じているはずだ。
消費者はどうだろう。 社内で日常のように差別的な言動が繰り返されている会社の製品が、消費者の目に魅力的に映るであろうか。 同じ価格ならLGBTに対してフレンドリーな企業の商品を買うに違いない。 一社員の言動が会社全体の利益に関わるということに注意したほうがいい。
現在のLGBTに対する日本企業の職場環境は絶望的にレベルが低い。 一刻も早く職場環境が多様性を理解するようなものとなることを祈る。