”暗黙の普通”
リクルートスーツに男は短髪、女はひっつめ髪で色は黒。
就職活動にはなぜ決められたか分からないルールがある。
本来、就職活動は自分らしく、自分の夢を実現するための会社を選ぶ行為のはずである。にもかかわらず、そのようなルールに縛られ、自分の在りたいセクシャリティを偽り、就職活動をしたら心が窮屈になってしまう。
時代は変わり、令和になった。
同調圧力の強い日本の就活をパンテーン #PrideHair プロジェクトはヘアスタイルから変えようとしている。
動画広告では、トランスジェンダーの元就活生が当時を振り返り就活時の葛藤を話している。
「男と女どちらで就活すれば良いのだろう」
この2つで揺れ動き、就職したい会社よりも就活する”姿”で迷いがあったようだ。
1つ疑問がある。
就職活動をする上で女性らしさ、男性らしさという「性別の”らしさ”」は必要なのだろうか。
髪が長ければ女性、短ければ男性では無い。
街ですれ違う人々は性別に限らず自分の好き な髪型をしている。それが就職活動になると「性別の”らしさ”」で髪の毛を変えなければいけないのは違うのではないか。そんなことをパンテーンの #PrideHair プロジェクトは謳っているのだろう。
公式ホームページには14人の元就活生のエピソードが掲載されている。リード文は
”いま、一緒に考えてみませんか”
履歴書に2つの選択肢しかない性別欄。
「結婚は?」
「子どもは?」
と全くデリカシーのない質問をする会社。
LGBTQ+ハラスメントをしてくる人事。
親から「会社に言うと就職に不利になる」と言われた方。
上記だけではない葛藤を就活時に抱えている。
自分のやりたいことを叶えるための就活なのに、仕事内容や働き方、能力や熱量等の判断基準ではなくセクシャリティで就活が不利になるのだろうか。
性別は男と女の二極化ではない。
そして、仕事をするにも就職活動をするにも「性別の”らしさ”」は必要ではない。
逆に、トランスジェンダーだからこそ経験できる人の温かみもある。 「トランスジェンダーとして生まれたことは悪いことだけじゃない」動画の中で人から温かい言葉をかけてもらった経験があることを話していた。
また、現在もこれからもセクシャリティで悩み、就職活動を辞めてしまう人も出てくるかもしれない。
その葛藤をなくすきっかけとして、自分が自分として就職活動をするロールモデルになることができる。
そういう広告だ。
このような広告が多くの人の目にとまり、ヘアスタイル含めた全てのアイデンティティーが尊重される社会に一日も早く近付いてほしい。
そしてすべての人々が、ジェンダーを気にすることなく、働きやすい企業が増えることを願っている。
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