履歴書の性別欄廃止や介護手当の支給も!企業のLGBT支援最前線!!

 

 

アメリカ全州・台湾での同性婚の合法化、日本においてもゲイカップルの里子認定など、現在、LGBTの方々を囲む環境は著しく変化し、世間からも大きな注目を集めている。

先月5月16日には、
日本経済団体連合会(経団連)から企業におけるLGBTの対応を求める「ダイバーシティ・インクルージョン社会の実現に向けて」の声明が発表されたこともあり、ビジネス界においてもLGBT支援への関心が強まっている状況だ。

日本企業においても、
ライフネット生命の同性パートナーを対象とした保険サービスや、JT(日本たばこ産業)がLGBT学生を対象とした就活セミナーを実施するなどの支援が開始されている。

経済団体連合会の大手企業を中心とした調査では約40%の企業が何らかの方法でLGBT支援を実施しているという結果も出ている。

今回はそんなLGBT支援を積極的に行っている企業を3社ピックアップし、それぞれの活動内容や成果を紹介する。

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①ユニリーバジャパン

日用品や食品メーカーとして世界400か国に展開しているユニリーバでは2016年9月より、LGBT支援プログラムである「ユニリーバ・プライド・ジャパン」を開始した。

「ユニリーバ・プライド・ジャパン」では、

ワークフォース(人材)
ワークプレイス(職場)
マーケットプレイス(パートナーとの協働)
コミュニティ(社会活動)

の4つの軸からLGBT支援を行っている。

人材や職場環境等への取り組みだけではなく、社内外のLGBTへの理解にも積極的な取り組んでいることが大きな特徴だ。

具体な取り組みは以下の通りだ。

 

ワークフォース

LGBT人材の採用・活躍を推進します。

・2016年10月に開催される、企業とLGBTがともに“自分らしくはたらく”を考えるイベント「RAINBOW CROSSING TOKYO」に協賛・出展します

ワークプレイス

人事制度の改定や職場環境づくりを行います。

・2016年9月から、企業行動原則に性自認や性的指向による差別禁止を明記しました。また、セクハラやパワハラに関する匿名の社内相談窓 口では、LGBTに関する相談受付も受け付けています。

・2016年9月から、アライ(支援者)を社内募集し、コミュニティを設置しました。LGBTアライ・コミュニティには、LGBT当事者を含めLGBTを応援する社員が参加でき、社内外でLGBTに対する理解促進のための活動を行う予定です。

・2016年10月1日から、同性パートナーを持つ社員に対して結婚・忌日休暇、結婚祝い金・弔慰金の制度を適用しました。今後、段階的に同性パートナーの父母や子女にも制度を適用していく予定です。
今後、LGBTへの理解を深め、チームマネジメントに活かす社内トレーニングを実施する予定です。

マーケットプレイス

他の企業やNPO法人、行政団体などのパートナーと協働を通じて、LGBTを支援します。

・NPO法人ReBitと協働し、社内外でのLGBTへの理解促進を図ります。

コミュニティ

LGBTフレンドリーな社会の実現を目指す社会活動に協賛します。

・従来から引き続き、LGBTをサポートする外部イベントに、会社やブランド(ベン&ジェリーズ)として協賛する予定です。

4つの軸からLGBT支援を行っているユニリーバジャパン。「RAINBOW CROSSING TOKYO」への出展の際にはオープンリーの社員が登壇するなど、社内の理解やカミングアウトが促進していることが感じられる。LGBT支援を制度として規定するだけではなく周囲の理解などのを促した上で進めており、LGBT当事者の方に寄り添った支援であると感じられる。

 

 

 

 

 

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②株式会社ガイアックス

株式会社ガイアックスはソーシャルメディアやSNSの開発を行うIT企業である。

同社では「フリー・フラット・オープン」という社風を重視しており、上下格差を無くし、ゴールに向かって一人ひとりが同じ方向を向いて動くことのできる強い組織を目指している。

フリー、フラット、オープン

メンバー全員が経営層や事業責任者と同じ情報を持つことで、自分自身で判断し、行動する権限が与えられています。ゴールに向かって一人ひとりが同じ方向を向き、動くことのできる強い組織を目指します。

 

2015年には「フリー・フラット・オープン」の一環として「LGBT支援宣言」を発表し、IT業界では初の企業内のLGBT研修を実施した。

また、今後は採用面・社内制度面においての支援に加え、2016年には社内にLGBT委員会を設置し、社内外におけるLGBT支援を行っていく予定だ。

昨年度行われたLGBTへの取り組みを評価する「work with Pride PRIDE指標 2016」では最高評価のゴールドを受賞している。

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【採用面】

・採用ポリシー(採用ガイドライン)に”性的指向、性同一性障害などによる差別をしないこと”
という規定の追加。

・採用エントリーシートや履歴書における性別欄の自由記入化。

【社内制度】

・結婚祝い金や休暇などを同性パートナーについても適用すること。

・LGBT当事者や執行役員を含むLGBT委員会の設置

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また、ガイアックスでは「IT業界全体でLGBTフレンドリーになること」を目指している。

同社では新卒入社の社員向けに合同新人研修である「シェア研修」を行っており、この研修と同様にLGBTの研修を広めていきたいとしている。

 

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③株式会社資生堂

株式会社資生堂は言わずも知れた1872年創業の化粧品の製造・販売を行っている会社だ。

資生堂では2014年からLGBT支援を開始した。

まず『知る』ということを重視し、人事部門を対象としたLGBT研修や社内にてLGBTセッションを行うなど、LGBTの正しい知識や理解の共有に力を入れている。

社員の行動基準である「Our Way」には性的指向による差別を行わないことも記載されており、従業員全員のLGBTへの理解が進められている状況だ。

1.私たちは、職場におけるすべての人たちの人格、個性、およびその多様性を尊重し、ともに育ち、育てあうように努めます。
(1)私たちは、人種、皮膚の色、性別、年齢、言語、財産、国籍または出身国、宗教、民族または社会的出身、政治的見解またはその他の見解、障がい、健康状態、性的指向などによるあらゆる差別や虐待、セクシュアルハラスメントやパワーハラスメントなどのモラルハラスメントは絶対に行わず、決して許しません。

2017年の1月には、同性パートナーに対しても福利厚生を適用することが発表され、同性カップルであっても介護・育児休暇や転勤した際の別居手当等の取得ができるようになった。

また、資生堂では社内環境の整備や理解の促進だけではなく、TOKYO RAINBOW PRIDEへの協賛やOUT IN JAPANへの参画など社外への取り組みも積極的に行われている。

2016年度のTOKYO RAINBOW PRIDEに出展した際には、144名がボランティアとして参加しており、社内の人たちのLGBTへの関心が強いことが伺える。

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今回はLGBT支援を積極的に行っている企業を3社紹介した。

各社様々な取り組みを行ってたが、共通して言えることはLGBT支援は「周囲の理解」なしには成功しないということだ。

LGBTの支援は短期的に達成できるものではなく、環境の整備を含め長期間をかけて周囲の理解を得る必要がある。

LGBT支援を検討している企業がいたら、まず理解するところから始めてみてほしいと思う。

写真はJOB RAINBOW For LGBTサイト、HUFF POST LIFESTYLEより。

参考文献

株式会社資生堂サイト:http://www.shiseidogroup.jp/company/principle/way.html
株式会社ガイアックスサイト:http://www.gaiax.co.jp/news/press/2015/0827/
ユニリーバジャパンサイト:https://www.unilever.co.jp/news/press-releases/2016/pride-japan.html
オルタナSサイト「IT業界をLGBTフレンドリーに、ガイアックスが呼びかけ」:http://alternas.jp/work/ethical_work/59127

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