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米シリコンバレーを代表するテックリーダーの一人である起業家であり投資家のピーター・ティール氏が、ドナルド・トランプ氏への応援演説の中で、自身がゲイであることをカミングアウトした。

「私はゲイであることを誇りに思い、共和党員であることを誇りに思います。」(Forbes JAPAN 2016/07/22)

共和党は同性婚の合法化に対して「反対」という政治的ポジションに立っている。共和党はアンチLGBTの色合いも濃く、「ゲイを転換療法(コンバージョン・セラピー)で“治療”する試みも検討している。」(Forbesより)

そんな共和党の応援演説の中でカミングアウトするのは異例のことのようにも思うが、ティール氏はカミングアウトした理由を以下のように語る。

「私が子供の頃、大人たちの関心はソビエトをどう打ち負かすかでした。そして、我々は勝利しました。それが今や、世間の関心は“誰がどちらのトイレを使うべきか”といったものです。そんな事はどうでもいいのです。もっと重要な事があるはずです」(前掲)

ティール氏は今後の国家の繁栄を考えた時に、現在のアメリカ政府(民主党)の在り方に対して大きな疑念を持っている。同性婚が可能になった背景には民主党が政権をとったことも大きく貢献しているのは事実だ。しかし、アメリカという大きな国家を動かしていくには、より大きな「国家経済」というテーマを優先するべきであるという考え方だ。

このように、トランプを支持するビリオネアは多く、Forbes誌はラスベガスのカジノ王のシェルドン・アデルソン氏、投資家のカール・アイカーン氏、銀行家のアンドリュー・ビール氏、実業家のダーウィン・ディーソン氏などを挙げている。

国家経済という最優先課題の前では、LGBTの問題の優先度が下がるのは当然のことだ。経済を中心に議論し、その議論の延長線上でいかにLGBTに対して先進的な政策を打ち出すかが重要な論点となる。

今後もアメリカ大統領選挙に注目していきたい。

 

※ピーター・ティール…ペイパル共同創業者。リンクトイン、テスラ、スペースX、YouTube、イェルプ、ヤマーなどに投資。データ分析会社パランティアを創業。また、フェイスブックやスポティファイ、エアービー・アンド・ビーにも資本を提供している。共著「ゼロ・トゥ・ワン」はベストスラーになった。

写真参考http://wired.jp/2015/03/06/peter-thiel-startup/

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