曽野綾子氏の意見から、LGBTへの暴言抑制方法を考える

表現力は、もっとも平和的な武器である。保守派の代表的論客である作家の曽野綾子氏は、小中高校生のいじめや他者への暴言を防止するためには、表現力の向上が必要と説いていた。

一方で、国際人権団体「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」が、LGBTの子どものいじめに関する調査結果を発表。この調査では、生徒のみならず、教師までもが、LGBTの子どもに否定的な言葉や暴言、冗談を吐いているという実態を紹介していた。

曽野氏の意見を元にすると、子どもや大人たちの「表現力」が高まれば、LGBTの子どもへの不当な偏見や差別がなくなるということになる。

ではなぜ、表現力が重要なのか。曽野氏の意見を元に考えると、表現力がなければ、自分の考えていることを、正確に伝えられないからだと思う。

例えば、自分がLGBT支援について、どう思っているのか(賛成派or反対派なのか)、なぜそう思うのかを伝えるには、語彙や声のトーンなどの表現に気を配ることで、意見の異なる相手にも、気分を害さずに伝えられる可能性が高い。

表現力が不十分であれば、短絡的な思考をしたり、危険語(差別語)を使用したりしてしまう。その結果、(LGBTのみならず)相手を気づけてしまったり、自分の人間性を疑われてしまったりするなど、人間関係に支障をきたしてしまうだろう。

では、相手に自分の考えを表現するうえでは、どのような要素が重要なのだろうか。曽野氏の見解・経験によると、言葉以上に「言葉以外のメッセージ」を大事にすることだという。

曽野氏は、自身に幼少期において、数多くの大人がいる場所にいることが多かった中で、「大人たちが普通なら子どもには聞かせないほうがいいという手の話」を聞いていたという(男女関係や商売において、暴言を言い合う大人を見てきたのであろう)。

その経験の中で、下記のような認識を持ったという。

私は相手に向かってバカと言いたい人間の心理の表裏を十分知りつつ育ったから(中略)死ねと呟いたからと言って相手を殺したり、相手の事故死を望んだりするわけではないことを見抜けるようになっていた(産経新聞 2016年5月4日 7面)。

悪がわかると、善が輝くのが理解できるのである(同前)

たとえば、自分が大きな過ちを犯して落ち込んでいる時に、「お前って、向こう見ずだな。。。」と、友達から言われても、友達の表情や言葉のトーンなどから、自分への配慮や惻隠の情が感じられれば、「自分を励ましてくれているのだろう」と、嬉しい気持ちになるであろう。

こういった経験は、読者の中にも多く有ると思う。つまり、言葉以上に「言葉以外のメッセージ」を、相手はとらえているということだ。

これを、前述の学校とLGBTの話に戻して考えてみよう。

もちろん、LGBTに関する差別的発言は厳禁だ(または、前述のように「死ね」なども言い過ぎであろう)。ただし、前述のように、相手に配慮や尊敬の意を示したうえで、冗談を言い合うくらいは、良いと思う(言葉以外のメッセージを感じ取るから)。

以上を、書いていて思うのは、LGBTの当事者・非当事者であろうと、一人の人間として尊敬の念を持って接すれば、人間関係に大きな支障をきたすことはないということだ。

※画像はアマゾン・ドット・コムより

サム: LGBTのアライ(支援者)として、Flag編集部で記事執筆。前職において、様々な分野の企業・個人プロフェッショナルの広報業務(メディア露出)を支援。その経験を活かし、LGBTというテーマを、政治、経済、国際情勢、人文科学などの様々な切り口で考察、広報していきたいと考え、日々奮闘中。