職場でのカミングアウトは「その場の人」次第である。周りがLGBTに寛容な環境であれば、カミングアウトをしてオープンに過ごす。逆に保守的な職場であれば、カミングアウトをしないという選択肢を取る。
LGBTの指導者組織である「アウト・オン・ザ・ストリート」の創設者トッド・シアーズ氏は、面接予行演習など同組織の求職活動プログラムを利用して就職しても、職場では性的志向を隠す人がいると語る。会社は、紙の上ではLGBTに理解ある政策を持っていても、結局は「何もかも直属の上司次第となる」という。(2014/5/7 The Wall Street Journal )
最近、社内の差別禁止規定に「性的指向」も含める企業が出始めた。これはLGBTへの配慮を示す、とても良い支援方法の一つだ。しかし実際にはまだ「紙の上」だけ。LGBT社員からしてみれば「何も変わっていない」だろう。
LGBT当事者がオープンに働けるかどうかは、最終的には「その場の人」で決まる。いくら制度が整っている会社でも、周囲がLGBTに否定的な態度を示すようでは制度の意味は無い。逆にLGBTの制度が全く無くても、周囲がLGBTに対して寛容であるならそれで良いのだ。企業には制度よりも柔軟な理解を求めたい。