近頃、 性別の垣根無くお洒落を楽しむ「ジェンダーレス(Genderless)」のファッションが一段と広がり、有力ブランドやアパレル各社は相次いで「男女兼用可」のアイテムを発表。
4月には、オンワードホールディングスの子会社であるオンワードデジタルラボが、新ブランド「イーコール(IIQUAL)」を立ち上げた。
イーコールは「誰かが決めたらしさを脱ぐ服」をコンセプトに、ジェンダーイコーリティに向き合うブランドとして発足。メンズ、ウィメンズという区分を設けず、自由に着こなすことができるアイテムを提案している。服作りの現場では、生物学的な性差による体格の考慮、心理的抵抗を少なくするデザインを心掛けフィッティングや型紙の調整などを行ったという。
「日経MJヒット商品番付」の2021年上期では「ジェンダーレスファッション」が東の前頭に。
歌手の宇多田ヒカルが「ノンバイナリー(non-binary)」を明かし、ダボダボの服を好むビリー・アイリッシュがお洒落アイコンになったりと、新たなジャンルが確立されつつある。
今回、「ジェンダーレスファッション」という言葉の違和感について、独自の見解を述べていきたい。
ジェンダー“レス”ファッション?
「性別の“らしさ”にとらわれず、自分らしさを出す」ためにジェンダーレスファッションという“カテゴリー”が出たような気がする。
しかし、男女のカテゴライズをなくす(ジェンダーレスである)ことが自分らしさを出すことなのだろうか。
私は違うと思う。
ジェンダーは男と女の二極化ではなく、グラデーションである。
女性が「男性っぽいファッション」を着る
男性が「女性っぽいファッション」を着る
これは逆に二極化されたジェンダーにとらわれた表現なのではないか。
自分らしさを出す“ために”ジェンダーレスファッションをするのではなく
男女の性別のらしさをなくす“ためだけ”にジェンダーレスファッションをするのでもない。
そして、性別のらしさが顕著に出ているファッションにも自分らしさはある。
もちろん、ジェンダーレスファッションが悪いと言いたいわけではない。ジェンダーレスファッションは二極化された性別の「概念の押し付け」が無く、誰もが自分らしいファッションを追求する第一歩だ。
ジェンダーレスファッションの意味合いや、概念がジェンダーのカテゴライズを逆に助長してしまうことが懸念点であるだけである。
どんな服を着ていても、その人に似合っていて、気分が上がれば良いのではないだろうかと思う。
参考記事:
・Yahooニュース
https://news.yahoo.co.jp/byline/miyatarie/20210717-00247351
・ELLEgirl
https://www.ellegirl.jp/fashion/trend/a36737653/genderless-gender-neutral-fashion-21-0621/
・FASHIONSNAP.COM
https://www.fashionsnap.com/article/2021-04-23/onward-iiqual/
誰もがカテゴライズされず
自分らしさを追求できますように。