札幌市のLGBT市民団体「ドメスティック・パートナー札幌」は、同性カップルを結婚に相当する関係と認める「パートナーシップ制度」創設についての要望書を、札幌市と市議会に対して提出する構えだ。
これらの制度が求められる背景には、性的少数者のカップルが日常生活で困難に直面している現実がある。公営住宅に入居できない▽賃貸契約しようとしても、戸籍上の家族でないことを理由に断られる▽入院中のパートナーと面会ができない、などだ。これに対し条例がある渋谷区では、公共団体には性の多様性の尊重義務があり、事業者にはその配慮義務が課せられており、違反すれば是正勧告や事業者名の公開などの措置がとられる。札幌でも実現すれば、当事者が直面する課題の解決につながると期待される。制度は、身体性と心理性が一致しない性同一性障害の当事者の間でも期待が大きい。手術が必要で金銭面や身体面での負担が大きく、法で認められた戸籍変更が現実にはできない人にとって有効な制度となるためだ。(毎日新聞)
自治体では渋谷区をはじめ、世田谷区、三重県伊賀市が既に「パートナーシップ制度」を導入しており、沖縄県那覇市、兵庫県宝塚市も導入を決定している。民間企業でも、外資系企業を中心に、多様な価値観についての制度がつくられ、最近はパナソニックなど日系企業にも波及し始めた。
札幌市でもLGBTをはじめとする全ての人が住みやすい街になることを期待する。